東芝に明日はあるか

 不正会計に続き海外原発事業の巨額損失で経営再建中の東芝の決算はまるでジェットコースターのようだ。会計処理を巡ってすったもんだの末ようやく公表された2017年3月期決算は、国内製造業としては過去最大の1兆円近い赤字。その一方で18年3月期決算に目を向けると、本業のもうけは同社として過去最高になる見通しという▼どん底から一気に頂上に駆け上がるような台所の推移。わずか1年の間になぜこんなことになるのか。スマホなどに使われる半導体メモリー事業が好調で、大幅に増える利益の大半はこの事業で生み出される▼しかしこの過去最高益も仮の皮算用になりそうだ。半導体メモリーは東芝再建の牽引(けんいん)役を期待されながら、本年度中に事業売却が予定されているからだ▼貴重な稼ぎ頭をなぜ身売りしなければならないのか。もったいないが、背に腹は代えられないという。当座の資金を確保して債務超過を解消できなければ、上場企業として表舞台から去らなければならない▼しかし虎の子の成長事業を手放して何で経営を支えていくのか。道路や水処理など社会インフラ事業を柱に育てていくというが、この分野は強力なライバルが立ちはだかる▼経営に「たられば」は禁句だが、高値づかみした米原発大手ウェスチングハウス買収が危機の発火点となった。子会社にした後、湯水のごとくお金を使われた揚げ句、倒産の尻拭いに経営の屋台骨を揺さぶられる。子会社の経営に目を離していた代償はあまりに大きい。(前)

2017年8月18日 無断転載禁止