国境なき水産物の資源管理

 古里に帰省した家族に特産品を食べさせたいと、盆前に浜田市内のスーパーをのぞいた。鮮魚コーナーにずらりと並んだノドグロは、多くが韓国産だった▼浜田漁港が拠点の沖合底引き網漁船が休漁期のため、輸入ノドグロが高まる需要を穴埋めする。資源保護のための休漁期を終え、船団は15日に出漁。浜田港ブランドのノドグロの水揚げはこれからが本番だ▼浜田の船団は休漁期のほか海域に禁漁区を設定して資源管理を徹底する。漁場が隣接し、ノドグロが回遊する韓国側の海域に同様の管理があるかを調べたが、情報はなかった▼山陰沖の日韓暫定水域では、韓国漁船の乱獲でカニが激減した過去がある。ほとんどの韓国人はノドグロの食習慣がなく、名前すら知らないという。日本の消費によって資源が減ることはあってはならない。韓国側に資源保護を働き掛け、輸入量を考える時期が来ているのではないか▼反対に日本で食べる習慣がなく、韓国で大量消費されているのがヌタウナギだ。生物学的にニホンウナギと縁がなく、ヤツメウナギに近い。韓国ではぶつ切りした身を甘辛いたれや薬味にあえて網の上で焼く▼東京で食べさせる韓国料理店があった。見るも恐ろしい躍り食いの見た目はさておき、コリコリした食感や精のつきそうな味は、病みつきになる理由がわかる。ヌタウナギも韓国では漁獲量が減っているという。山陰沖に漁場があり、韓国への輸出実績がある。水産物に国境はない。持続可能な2国間の連携が問われる。(釜)

2017年8月20日 無断転載禁止