きらめく星 南斗六星

南斗六星と土星、干潟星雲。ほかにもたくさんの星雲・星団が見える=7月28日、大田市の三瓶山北の原で撮影(さつえい)
南の空ひしゃく形に並(なら)ぶ

 夏の南の空に、ひしゃくの形の星の並(なら)びがあります。ひしゃくというと、北斗七星(ほくとしちせい)を思い浮(う)かべる人もいることでしょう。しかし、北斗七星は、その名のとおりつねに北寄(よ)りの空に見えます。一方、南の空のひしゃくは六つの星でできていて、南斗六星(なんとろくせい)といいます。

 中国では北斗七星が死(し)に神(がみ)で、南斗六星は長寿(ちょうじゅ)の神様だという伝説があります。西洋の星座(せいざ)でいうと、南斗六星はいて座の一部にあたります。射手(いて)とは矢を射る人のことです。

 北斗七星に比(くら)べれば、小ぶりでやや暗く、とりわけ目立つわけではありませんが、今年は近くに土星(どせい)があるため、見つけやすくなっています。今なら夜のはじめごろに、南に見えている明るい星が土星ですので、その左の方を探(さが)してください。

 南斗六星は、なるべく月明かりのない暗い夜に見てもらいたいと思います。そのあたりに天(あま)の川(がわ)の一番濃(こ)く光る部分が見られるからです。

 街から離(はな)れたところでは、夏の天の川が頭の上から南に向かって流れているように見えます。それを目で追っていくと、南斗六星のあたりで天の川が最もはっきり見えることに気づくでしょう。街明かりが多少あるようなところでも、南斗六星の周りだけは天の川が見えるということがあるかもしれません。

 その付近を双眼鏡(そうがんきょう)で見回してみると、また違(ちが)った世界が広がります。ガスが雲のように光って見える星雲(せいうん)や、星が細かく集まった星団(せいだん)がたくさんあるのです。それぞれが観察するのにおすすめの天体なのですが、一つだけ、代表を紹介(しょうかい)すると、ひしゃくの柄(え)の下にある干潟星雲(ひがたせいうん)は、ガスのかたまりが星の集まりと重なってみごとです。

 空じゅうで一番にぎやかな南斗六星のあたり。この数日は月が細くて空が暗いので、見るチャンスです。

◆島根県立三瓶(さんべ)自然館サヒメル天文事業室長・竹内幹蔵(みきまさ)

2017年8月23日 無断転載禁止

こども新聞