世事抄録 関ケ原

 お盆休みに久しぶりに1569ページに及ぶ読書らしい読書をした。本を読まなくなって久しいので新鮮な感覚で没頭できた。

 小学生の時はとにかく量をこなす読書スタイルだった。中高生の頃は試験勉強からの現実逃避のための読書でもあった。大学生で初めて理解不能の専門書とも出合った。社会人になってからも推理小説などをよく読んでいたが、年齢とともに仕事も忙しくなり、読書する余裕が徐々に失われていった気がする。

 さて、久しぶりの読書のきっかけは今夏、初めて訪れた彦根城で「関ケ原」という司馬遼太郎原作の映画の予告を見たことである。学生時代から読みあさっていた作家であったことも幸いして一気に読破できた。

 歴史小説は複数の史料に記載された内容を時系列で整理し、史実と照合しながら綿密な現場取材と作者の主観により人物像やストーリーが出来上がっていくと聞く。

 関ケ原の戦いは、天下の大勢を巡り、あらゆる情報とうそと脅しを駆使して自らに流れを引き込んでいこうとする駆け引きの妙であると感じた。最後の決断の源は正義か利益かという究極の選択であり、自らの命運を左右する決断は難しく重いものだ。

 今の時期、北朝鮮をめぐる国際情勢が騒がしい。わが国をはじめ関係国がどんな情報を収集分析し、どんな決断を行うのか注視したい。 

(雲南市・マツエもん)

2017年8月24日 無断転載禁止