紙上講演 危機管理アドバイザー 国崎 信江氏

国崎 信江氏
命を救う~身近な防災の心得

一軒一軒の耐震化重要

 山陰中央新報社の石見政経懇話会、石西政経懇話会の定例会が22、23の両日、浜田市と益田市であり、危機管理教育研究所代表で危機管理アドバイザーの国崎信江氏(48)が「命を救う~身近な防災の心得」と題して講演した。自身のアドバイザーとしての経験や、熊本県益城町での災害対策本部への支援で感じたことなどを踏まえ、防災や危機管理の大切さを説いた。要旨は次の通り。

 建物が倒壊すると、生命や財産が失われるだけでなく、がれきが道路をふさぎ、通行する住民らが巻き込まれるかもしれない。緊急車両の通行の妨げにもなる。一軒一軒の耐震化の不備が地域の被害を拡大する。耐震補強は、個人的な判断ではなく、運命共同体と感じ、責任を持って施してほしい。

 「地震が来たらテーブルの下に隠れる」というが、固定されていない机が倒れ、天板と床で首を挟むかもしれない。机の下に潜り込みさえすれば何とかなるという感覚的な防災訓練を繰り返してきたが、それは科学的知見に基づいてはいなかった。命を守る解答は決して一つではない。自分の行動が、本当に守りたい命を守れるのか。社会が変われば被害の起こり方も変わる。防災方法も考えなければならない。

 避難所は、行けば何とかなるのではなく、戦いや緊張の場。毛布の取り合いや窃盗などを目にしてきた。家で過ごせない避難者は、窃盗に遭わないために、家から避難所に貴重品を持ち出すので宝の山になる。だが、セキュリティがある訳ではなく、避難所で窃盗被害に遭う危険性もある。

 防災対策をしっかりとすることは、お金や時間の無駄ではないと思う。これまでの防災の概念を一度見直して、自分たちにとって一番負担のない方法を考えてほしい。

2017年8月24日 無断転載禁止