3年3割

 「3年3割」という言葉がある。3年連続で打率3割を超えるプロ野球の一流打者を指すのではない。大卒で就職後3年以内に仕事を辞めた人の割合(離職率)が3割を超えることを示す▼「最近の若者はこらえ性がない」という嘆きが聞こえてきそうだが、実は今に始まったことではない。厚生労働省がまとめた2013年3月卒業者の3年以内離職率は31.9%。これに対し、1996年3月卒は33.6%に上っていた▼この間、30%を割ったのは1度だけ。就職氷河期や売り手市場など学生を取り巻く就活環境は変化しているのに離職率が常に高いのは、理想と現実のギャップに、「こんなはずじゃなかった」と失望する若者が後を絶たないからだろう▼それを埋める手段として活発なのが、学生が実際に就業体験するインターンシップ。経団連は今春、学生の参加をより促すため、従来は「5日間以上」としていた開催条件を撤廃する方針を打ち出し、1日だけでも可能とした▼確かに学生にとって、より多くの企業を見て回れる利点はあるが、1日だけで企業の業務内容や実態が把握できるとは到底思えない。企業も学生に好印象を持ってもらうため、マイナスイメージの部分は隠しがちになるからだ▼筆者の息子も先週5日間、松江市内でインターンシップに参加した。親切にしてもらったが、就職先として選ぶかは決められないという。ある程度、いいところも悪いところもさらけ出し、実態を知ってもらう。「3年3割」改善の近道だろう。(健)

2017年8月29日 無断転載禁止