女子ログ うどん県に暮らす

 この夏、米国の夫の実家への里帰りから香川に戻ると、まず、うどんが食べたくなった。香川暮らしも3年目。私もうどん県民らしくなったものだ。

 「香川と言えばうどん」。地元の人はそのステレオタイプにうんざりしていることだろうと思っていたが、住んでみて、余計な勘ぐりだったと気づいた。香川県民にうどんについて1質問すれば、10答えが返ってくる。彼らはうどんを食べ、うどんにこだわり、そしてうどんを愛しているのだ。

 黄金のだしに浮かぶ、艶やかな白い麺。沸き立つ湯気に顔を突っ込んでうどんをすするのは至福の時だ。

 魅力はそれだけではない。うどん屋は老若男女が集う場所。異世代、異業者交流のコミュニティーサロン的な役割を果たしている。店主のぶっきらぼうな接客には独特の温かみがあり、都市文化の生み出した「サービス」へのアンチテーゼさえ感じる。県外者の私でさえうどん屋にいると「地元に帰ってきた」という気になるのだ。

 このうどん文化の吸引力は、若者の定住やUIターンの促進に役立っているに違いない。

 でも島根県民の私は味について言えば、やっぱりそばが好き。島根のそば文化も、香川のうどん文化に匹敵するくらい、県民の心に根差し、地域を活性化する文化になってくれると良いなと、思う。

(雲南市出身、香川県丸亀市在住・ゆかりんご)

2017年9月1日 無断転載禁止