糸口を見つけたい

 口できつく叱っても、ペナルティーを科しても一向に態度を改めない相手にどう対応するか。強い対応を取れば取るほど反発を強め、腕力を誇示する。増す一方の危険度に手詰まり感さえ漂う▼北朝鮮が6回目の核実験を強行した。広島、長崎に投下された原爆の数倍の威力を持つ水爆との見方もある。本物の核弾頭や爆薬は載せていないとはいえ先日は、北海道上空を通過する弾道ミサイルを発射したばかり。国連安全保障理事会の議長声明も、どこ吹く風だ▼北朝鮮の核実験は昨年9月9日以来で2年連続。弾道ミサイルの発射も今年既に13回だ。昨年から数えると核実験は3回目、ミサイルの発射は30発を超す。毎回強く抗議し制裁を強化しても、目に見える効果はうかがえない▼こうなると選択肢として「体罰」もやむを得ないとの声が出てくるかもしれない。しかし「愛のムチ」と違い、相手が抵抗し歯向かってくれば、こちらもけが人が出る恐れがある。怒りを呑(の)み込んで、ここは我慢のしどころなのか▼中国、ロシア頼みの圧力一辺倒では隔靴掻痒(そうよう)の感は否めない。ただ「窮鼠(きゅうそ)猫を噛(か)む」の例えもある。とばっちりは避けたい。『孫子』の兵法でも、敵を包囲するときは必ず「逃げ道」を開けておき、死に物狂いの逆襲で大きな被害を受けないようにせよと教える▼究極の目標は、北朝鮮を核放棄に導く解決しかない。問題は、そこに向けた道筋をどう描き、誘い込んでいくかだ。その糸口を見つけだす知恵を国際社会は求められている。(己)

2017年9月5日 無断転載禁止