食べ方の提案

 鳥取市特産、豆腐ちくわの味に幼いころから親しんできた筆者にとって、同じ練り製品でも松江の名産あご野焼きはごちそうである。値段も手頃で食卓のレギュラーメンバーになりそうな豆腐ちくわに対し、あご野焼きは高級イメージ。お土産にはうってつけだが、毎日の食卓となると少し身構えてしまう▼そのあご野焼きが松江の名産であることを、地元の人が案外知らないという。松江商業高校の生徒たちが昨年松江市内で行ったアンケート調査で回答者の7割近くが地元でつくられていることを知らなかった▼同市で開かれた島根県高校生商業研究発表大会で最優秀賞に選ばれた松江商高の研究テーマは「松江かまぼこでコトはじめ」。アンケートはこの研究の一環として行われたが、どうすればあご野焼きなど松江産のかまぼこの販売を増やすことができるか、高校生たちが知恵を絞った▼その結果、考えついたのが街中で歩きながら食べるかまぼこという消費スタイル。かまぼこをスライス状にして野菜などを包み込み、サンドイッチ感覚で食べる▼松江市内の業者に試作を依頼し、近く試販を始めるという。研究を指導した同校の沼田愛教諭は「世代によって消費スタイルが異なり、高校生のアイデアが地場産業に生かされれば」という▼かまぼこサンドイッチにあご野焼き串団子、ハート天ぷら。創作性を食べ物に詰め込んで、若者の消費意欲をそそる高校生の提案に伝統の味も若返った気分だろう。「町に出るかまぼこ」が楽しみだ。(前)

2017年9月6日 無断転載禁止