東西の融和

 鳥取県の誘致活動が実り、鳥取空港に台湾と韓国からのチャーター便運航が相次ぎ決まった。ソウル便、香港便と二つの国際定期路線を持つ米子空港があるのに鳥取空港にもてこ入れするのはなぜなのか。「地元の望む姿を形にできるきっかけになる」という平井伸治知事の言葉には、県主導というより地元の熱意を感じさせた▼地元の望む姿とは国際定期路線の開設だ。鳥取空港には国際線ターミナルとなる国際会館が1996年度に整備されたが、念願の路線開設は実現していない▼米子空港が国際空港として成長し、境港にはクルーズ船寄港が相次ぐ現状に県都の経済人らは歯がみしている。鳥取市も名乗りを上げた県立美術館の誘致合戦にも敗れ、県都の不満はさらに増したとも聞く▼世界ジオパークつながりで鳥取市と島根県・隠岐を結ぶ観光航路開設構想が実現困難ながら立ち消えないのも、鳥取県のバランス感覚だろうかと思えてくる▼県立美術館建設地が倉吉市に決まると、鳥取市選出の自民党県議らは藩絵師や民芸に関する作品を市内の県立博物館に残すよう注文を付けた。はた目には奇異に映るであろう対応は、県都に根強い「因幡ファースト」の意識と、東西対立の根深さを思い知らされる▼明治初期、島根県に併合されていた鳥取県が独立した日にちなむ「とっとり県民の日」(9月12日)は間近だ。独立は東部が熱望し、松江市に近い西部は反対し、東西対立の原点になったとか。県民として一致団結を誓う日にできないか。(志)

2017年9月7日 無断転載禁止