全共の朗報を待とう

 山陰両県を含め、全国からよりすぐりの和牛が集まり、産肉能力を競う全国和牛能力共進会(全共)が7日、「杜(もり)の都」仙台市で開幕した。5年に1度開かれる大会は「和牛のオリンピック」とも称され、その成績は産地評価に直結する▼山陰両県の過去の実績は華々しい。1966年の第1回大会でのトップは鳥取県の種雄牛気高号。87年は、島根が開催地の面目を躍如。去勢肥育牛区で第1席を受賞し、「肉質日本一」の称号を得た▼しかし90年代からは低迷が続く。10年前には米子市で開催されたが、両県とも惨敗した。最大の問題は「選手層」の違い。近年好調な宮崎や鹿児島は飼育頭数が島根や鳥取の10倍以上。レベルは、いやが応でも高くなる▼山陰は担い手の高齢化と後継者不足に悩みながら、小規模の繁殖農家を中心に生産を支えているのが現状。数で劣勢を強いられるなら、質で勝負するしかない▼鳥取勢は今回、全国トップ級の評価を受ける県基幹種雄牛「白鵬85の3号」「百合白清2号」の子どもを中心に出品する。霜降りの度合いがよく、子牛市場では既に高値を呼んでいるのを見越して、県は東京での枝肉の販売促進事業を予算化。全国のブランド牛が集まる激戦地で評価を高め、全共結果との相乗効果をもくろむ▼今のところは「取らぬタヌキの皮算用」だが、最近は技術革新が進み、処理前の牛の肉質が超音波検査である程度分かる。県関係者はかなりの手応えを得ているようだ。杜の都からの朗報を待とう。(示)

2017年9月8日 無断転載禁止