重陽の節句と建国記念日

 きょう9月9日は重陽の節句。古来、中国では奇数は縁起の良い「陽」の数とされ、奇数が連なる日を祝ったのが「桃の節句」(3月3日)や「端午の節句」(5月5日)など五節句の始まりとされる▼陽数の中で最大の「9」が重なる重陽の節句は大変めでたいとされ、菊の香りを移した菊酒を飲んで邪気を払い、長寿を願ったという。今は他の節句に比べて影が薄いが、五節句を締めくくる行事として存在感を放っていた▼同じ9月9日でも、こちらは祝賀には程遠い。弾道ミサイル発射に続いて核実験にも踏み切り、存在感をアピールする北朝鮮。建国記念日を迎える9日に合わせて、さらなる挑発的な行動を取るのでは、との臆測が飛び交う▼米領グアム沖へのミサイル発射計画で、北朝鮮から上空通過を名指しされた島根県でも先日、隠岐の島町でミサイル飛来を想定した避難訓練があった。大きな問題はなく終了したが、果たして、いざという時に冷静に対応できるだろうか▼先月、山陰両県などで行われた全国瞬時警報システム(Jアラート)の情報伝達訓練では、防災行政無線で音声が流れないといったトラブルが一部の自治体で発生した。原因究明や対策は進んでいるが、肝心な時に使えなければ意味がない▼「ミサイルを心配しても仕方ない。漁の計画は変えない」。境漁港に先日、ベニズワイガニを水揚げした漁労長の言葉だ。必要以上に警戒しては日常生活に支障を来しかねない。一方で自身を守る術(すべ)を確認しておくのは無駄ではない。(健)

2017年9月9日 無断転載禁止