明日は我が身か

 近所の旦那や娘さんよりも、テレビ画面で毎日のように「会う」首相やタレントの話題に、妙に詳しくなる。おまけに日常的に付き合う相手は、スマートフォンでつながる仲間たち▼豊かな暮らしと技術革新のおかげなのだろう。生活様式が大きく様変わり。昔に比べると、近所付き合いが減った半面、物理的距離を問わない新しい仲間社会が出現した。そうなれば当然、井戸端会議も変わる▼かつては、井戸端会議で話題に上る噂(うわさ)話の対象は、そこにいない顔見知りの隣人たちだった。時には悪口や陰口が交じることもあった。が、特に悪気があったわけではなく、真偽もいい加減だった▼それが今ではインターネットやテレビが、居ながらにして数多くのゴシップやスキャンダルを提供してくれる。政治絡みから有名人の結婚・離婚、不倫まで、コメンテーターを交えた疑似・井戸端会議もある。それを話の種に拝借する▼毎日、おびただしい量のゴシップが消費され、数日程度で鮮度が落ちる。小難しい政治課題は、もともと井戸端会議にはなじまないし、政治スキャンダルも興味をそそる内容や人物でないと、すぐに飽きられる▼最近はメディアを巧みに使う政治家や芸能人が増えた。露出回数が多いほど身近に感じ、活躍しているように見えるからだ。しかし、その分だけスキャンダルの対象としても狙われる。標的になれば、もはや事の真偽よりも話題性が基準。全員が24時間、聖人君子とは思えないだけに「明日は我が身」かもしれない。(己)

2017年9月12日 無断転載禁止