がんになりにくい人

 人間ドックなどで胃を検査する際、胃カメラにするかバリウムを飲む胃透視を選ぶか迷うことがある。つぶさに調べるなら胃カメラがお薦めと言われても、管が喉を通ることを想像しただけで拒絶反応を示す人も少なくない▼まして不慣れな医師に当たったらと思うと不安で喉を通りそうもない。そうかといって胃透視は胃透視で、げっぷを我慢しながら透視台でのたうち回るわが身は脂汗にまみれ、早く終われと心で叫ぶ。ともに健康への我慢比べと自分に言い聞かせるしかない▼「がんになりやすい人なりにくい人をみきわめよう」とのテーマにひかれて松江市民公開講座を聴講した。講師の一人で同市内で開業している泉明夫医師によると、胃がんなどを見つける精度で胃内視鏡検査は胃透視の4倍という▼胃内視鏡検査を推進している松江市では職場などで定期健診を受ける機会がない50~74歳の人を対象に検査費を補助、55歳など5年刻みの年には無料で検査している▼その効果か同市の胃がん検診受診者は増える傾向にあり、最近では内視鏡検査を受ける人が胃透視を上回っている。同じ検査を受けるなら多少の苦痛は我慢してでも正確にということなのだろう▼胃がん原因の大半を占めるピロリ菌は井戸水などを通じて感染。年齢が高くなるほど感染者が多く、井戸水を使わなくなった今の子どもたちが中年を迎えるころには胃がんは劇的に減るのではと泉医師。9月はがん征圧月間。がんになりにくい人は検診が育てるに違いない。(前)

2017年9月15日 無断転載禁止