女子ログ ブルーベリーの教え

 実家に立ち寄るついでに地元の産直市場に出掛けた夫から電話がかかってきた。

 「おーい、ブルーベリー売ってるぞ、ほしいか?」「おいしそう? つぶれてない?」「とてもいい粒だよ」「で、おいくら?」「1パック100グラムで50円」「-全部買ってください」

 ブルーベリー2キロをオトナ買い。夫が持って帰ったそれは見るからに新鮮でつややかで、一粒口に含むと甘酸っぱい果汁が弾けた。

 「それにしても安いわね」。聞けばこのブルーベリーを市場に出品したのは、夫の古くからの友人で牧場を営むK君の小さな娘たち。K君から「お小遣いが欲しければ自分たちで稼ぎなさい」と諭され、さすがにお父さんの牛を売るわけにはいかず、牧場の隅に生えているブルーベリーを探して出品したというわけだ。50円という値段も娘たちが決めたという。枝に向かって背伸びしながら小さな手でせっせと実を摘む様子が目に浮かぶ。かわいらしく、たくましい。

 30パック売れても1500円。娘3人で分ければ500円にすぎない。けれども手にした500円玉はピカピカに光って見えたはずだ。働いて稼ぐ楽しさを学べるのは幸せだと思う。

 さてこのブルーベリー、ジャムにしようかソースにしようか。牧場の娘たちにもひと瓶届けることにしよう。 (大田市・ぽのじ)

2017年9月16日 無断転載禁止