幻の発電所遺構歩き感慨 大正時代工事断念 初見学会に43人

水路として掘削されたトンネルを見学する参加者
 幻の水力発電所「戸川発電所」(浜田市旭町都川)の遺構を見学するウォークラリーが24日、現地であった。参加者43人が足を踏み入れ、山あいの集落に電気を通そうとした当時の人々に思いをはせた。

 発電所は大正時代、井原村(現・邑南町井原)の実業家野田秀次(1871~1943年)が計画し、建設途中で工事が中止になった。現在は水路として掘られたトンネル(高さ1・8メートル、幅2メートル)などが残っている。

 催しは、近くの都川公民館職員らが遺構までの草刈りや山道を整備し、健康づくりの一環として初めて開いた。

 参加者は、脇に石積みの水路跡がある山道を歩きながら、「電気がくるならと地元の人も工事に協力したが、岩盤が固くて掘削が困難となり、2年で断念した」と話す同公民館の白川英隆館長(72)の解説を聞いた。

 続いてトンネルに入り、約40メートル先の行き止まりまでかがみながら歩いて見学した。工事が中断したトンネルは旧陸軍が終戦まで弾薬庫として使用し、当時取り付けた扉の跡も残っていた。暗闇の中でコウモリが飛び交い、参加者を驚かせた。浜田市国分町の植本歳廣さん(76)は「トンネルの遺構があるのは初めて知った。八戸川も美しかった」と話した。

 トンネルは周辺に計5カ所あり、同公民館は他地区と連携した近代遺産の見学会を検討しているという。

2017年9月25日 無断転載禁止