肉質日本一

 「二大産地の宮崎と鹿児島の間に割って入った。すごいことが起きた」。仙台市であった全国和牛能力共進会(全共)の7区総合評価群で、宮崎に次ぐ2位に食い込んだ鳥取県の宮崎浩樹団長(48)は、審査終了直後、胸の高鳴りを抑えられないようだった▼総合評価群は父親が同じ繁殖用雌牛4頭と、会場で枝肉にして審査する肉牛3頭による団体戦。繁殖から肥育まで、産地の総合力が問われる。審査の順番は全9区分のうち、大トリ。「花の7区」と称される部門とあって、各産地の応援団がのぼり旗を立てて陣取る観客席は一段と熱気を帯びる▼そこで成果を収めた宮崎団長の喜びようは、生産頭数を比べればさらに納得がいく。国内最大産地の鹿児島県の雌牛の数は鳥取の29倍。肉牛は18倍。圧倒的な「選手層」の違いをはねのけて、鹿児島の上を行った▼肉牛に限れば、審査結果は1位。全国トップレベルの産肉能力を誇る県基幹種雄牛の白鵬(はくほう)85の3号の産子が出品され、霜降りの度合いが断トツだった▼白鵬のすごさは、子どもの肉質に当たり外れが少なく粒ぞろいなこと。出品者の西田佳樹さん(46)は「仮に補欠が出ても、同じ結果になったはずだ」と産地全体のレベルアップに胸を張る▼県は「肉質日本一」と銘打ち、首都圏での売り込みに注力するが、引き合いが増えても今のままで供給は追い付くのか、不安が残る。2年がかりで牛を育てた出品者の努力に報いるためにも、需要に応える飼育体制の強化が待たれる。  (示)

2017年9月27日 無断転載禁止