存亡の機と国会の重み

 文化庁の2016年度国語に関する世論調査によると、存続か滅亡かの重大局面を意味する「存亡の機」という慣用句を、8割以上の人が本来の表現とは異なる「存亡の危機」と認識していたという▼「存続の危機」と混同する人が多いようだが、言葉は時代とともに変わるだけに「本来と異なる使い方が一般的なケースもあり、それらをすべて誤用と断じることはできない」と文化庁。言葉の重みが薄れてきた気がする▼存亡の機といえば、その動向が注目されたのが高知県大川村議会。人口減と高齢化に伴う議員のなり手不足から、議会に代わって有権者が議案を直接審議する「村総会」の設置を模索してきたが先日、検討中断を表明した▼県の支援を受け、議会維持や村の活性化に向けた方策の検討を始めたのが理由のようだ。全国では活性化を図ろうと試行錯誤する地方議会も多い。山陰でも安来市議会が定例会を年1回とし、会期を通年とする「通年議会」の導入を決めた▼一方でもっと活性化してほしいのが国会だろう。安倍晋三首相はきょう召集の臨時国会冒頭で衆院を解散する。25日の会見で消費税増税分の使途変更、北朝鮮問題への対応で国民の信を問うと説明したが、取って付けたようで首をかしげる▼そもそも今回の臨時国会は野党4党の要求による召集だった。それが質疑も行わないまま、いきなり解散の万歳三唱では国会議員を選ぶ有権者もしらけてしまう。「存亡の機にある」とは言わないが、国会の重みも薄れてきている。(健)

2017年9月28日 無断転載禁止