レッツ連歌(下房桃菴)・10月12日付

(挿絵・麦倉うさぎ)
 当てずっぽうで百点満点

ののちゃんが鼻高々で帰って来 (益田)吉川 洋子

ギャンブラー人生それが始まりで(松江)西坂 瑞人

その日からマジメになったガキ大将

               (飯南)塩田美代子

迷わずにヘタな考え捨てました (松江)佐々木郁雄

知らないわそんな約束したかしら

             (出雲)はなやのおきな

免許証三年間の命延び     (雲南)錦織 博子

いちおうは謙遜をする得意顔  (益田)可部 章二

押し売りもわが家の前は通り過ぎ(出雲)出川 武範

最後まで残った子猫貰(もら)い受け  (松江)花井 寛子

うちのポチ嘱託警察犬となり  (江津)花田 美昭

合コンでこれでいいやと今の妻 (美郷)芦矢 修司

来年は金婚式を迎えます    (浜田)佐々木わこ

級長に恥ずかしながら選ばれて (江津)岡本美津子

もう二度とないと思うと母も言う(松江)土江 ユミ

恋煩いだと書いてある診断書  (浜田)勝田  艶

目をこすりこすり夢かと受験生 (松江)相見 哲雄

母さんは尾頭(おかしら)付きの鯛を焼き  (出雲)野村たまえ

やっぱりねあれは正夢だったのね(浜田)滝本 洋子

開業の準備はすべて整って   (益田)竹内 良子

羊羹(ようかん)の箱よしなにと差し出して (益田)黒田ひかり

ボクいつも肩の力を抜いている (松江)川津  蛙

飲みながら先生選をしてくれて (松江)水野貴美子

これだからレッツ連歌はやめられぬ

               (出雲)行長 好友

大さじも小さじも持っていない母

            (沖縄・石垣)多胡 克己

先生はキラキラネームみな読めて(浜田)松井 鏡子

宝くじ代わりに買ってくださいな(松江)山崎まるむ

魚偏の漢字スラスラ寿司はタダ (益田)大居 鴻平

神様がちょっとイタズラしただけさ

               (境港)里見信平衛

一生の運を一度に使い切り   (出雲)吾郷 寿海

知らぬ間に教祖に祭り上げられて(松江)中村 清子

この先の昇給テストは記述式

            (兵庫・明石)折田 小枝

竹藪(たけやぶ)で拾った壺(つぼ)が二千万    (出雲)三島リチエ

でかしたと孫をほめほめもう一杯(安来)畑 しのぶ

母の日に子らで作ったちらしずし(浜田)勝田  艶

雲ひとつなくて今年の運動会  (松江)岩田 正之

           ◇

 当てずっぽうで満点を取るなんて、ほんとうは、まずないことですが、いやいやそうじゃない。謙遜するフリをしているイヤミな優等生のお話、と取ったのが章二さんの付句。まったく予想していなかった意外な展開でした。

 別のかたからは、「照れてるが陰で努力はしてるボク」という作品もいただきました。章二さんの句がなければ、ぜったい入選にしていたと思うのですが、こちらのほうは、あえて言えば、やや理屈っぽいところが玉に瑕(きず)かもしれません。

 押し売りが来ないというのはいいことですが、ひょっとして、金のないのを見透かされているのか。それがわが家だけと分かれば、多少は悔しい気にもなります。

 百点満点を取った孫をほめるだけなら、当たり前で、どうということはありません。しのぶさんの句は、それに加えて「もう一杯」―。「しっかり前句に付けた部分」+「あえて前句を離れた部分」という、分かりやすい構図になっております。この構図、みなさん、早速マネてみましょう。

           ◇

 次の前句は、

  酔うほどにだんだん口が軽くなる

 たいがいの人はそうだと思います。この句に愉快な短句(七七)を付けてください。

              (島根大学名誉教授)

2017年10月12日 無断転載禁止

こども新聞