出雲市出身の東京芸大職員永岡さん 院展初入選

東京芸大の研究室で文化財の複製作業に当たる永岡郁美さん=東京都台東区、東京芸術大学
 東京芸術大職員の永岡郁美さん(30)=島根県出雲市神門町出身=が日本美術院の再興第102回院展に初入選し、14日から安来市古川町で開かれる同展で作品が展示される。同大大学院教授で松江市出身の宮廻正明教授(66)が進める文化財復元技術「クローン文化財」の研究に携わりながら磨いた技術を生かした。受賞を喜びつつ「もっと良い作品が作れる」と次作に意欲を燃やしている。

 出雲高校を卒業後、多摩美術大で日本画を専攻し、2011年に宮廻教授の研究室に入った。クローン文化財の研究では、特任助手として海外での調査をはじめ、彩色を担当している。

 公募展への出品は初めてで、入選作「静かに想(おも)う」(縦175センチ、横223センチ)は中国の馬の置物を題材に、白と黒の馬を均等に配置することで「陰と陽」「善と悪」など世界の二面性を表現した。

入選作「静かに想う」
 作品ごとにさまざまな表現方法を実験しており、今回は絵の一部分を盛り上げる技法や青色の絵の具での表現など、文化財の修復技術を取り入れた。「表現の過程で必要となる技術が確実に身に付いてきている」と手応えを感じる一方、「まだ作品としては不完全。もっと技術を磨きたい」と悔しさを口にする。

 故郷への思いが年々強くなっているという永岡さんは「地元の美術館で自作が展示されるのはとてもうれしい。いつかは個展を開きたい」と夢を語った。

2017年10月13日 無断転載禁止