衆議院選 投票率行方にやきもき

 衆院選は、勝敗を左右する投票率の行方にも注目が集まる。今回の解散直後は野党再編で関心を集めたが、公示後は盛り上がりに欠けているとの声も各陣営から聞かれる。投開票の22日は台風接近が見込まれ、過去最低だった前回選を下回る可能性を指摘する陣営は少なくない。組織固めを図る与党に対し、投票率の上昇が生命線の野党側は無党派層の取り込みに力を入れている。


与党は50%台を予想

   野党浮動票獲得に活路

 「60%には届かないだろう」。島根1区の自民党前職を支える細田重雄選対本部長は、同区の投票率を2014年の前回選(57・94%)同様、50%台と分析した。「争点がかみ合わず盛り上がりに欠けている」のが一因とみる。4小選挙区の同党陣営の中でも、それぞれの投票率を50%台とする見方が多い。

 投票率は民主党(現・民進党)が政権を奪った09年8月以降、下落傾向だ。自民党が政権に返り咲いた12年12月は島根65・74%、鳥取62・92%。消費増税の見送りが争点となった14年12月は島根59・24%、鳥取54・38%でともに過去最低となった。鳥取県内の自民党前職陣営の幹部は「投票率が下がれば、組織票を持つ陣営に有利に働く」と見込む。

 逆に投票率アップを願うのは希望の党、立憲民主党の新党の陣営。しかし、与党同様に「50%台になるかもしれない」と懸念。組織力に劣る分、無党派層の取り込みに活路を見いだす。

 09年の「政権交代選挙」は島根78・35%、鳥取は75・30%と高く、民主党2候補が比例で復活当選。島根1区で立憲民主党新人を支える民進党島根県連の岩田浩岳幹事長は「投票率の底上げは、得票率向上と対をなす」とし、21日は、期日前投票所がある大型ショッピングセンター前で投票を呼び掛ける「投票率向上キャンペーン」を展開する。

 共産、社民両党にとっても投票率のアップは大きな課題だ。島根2区で新人を擁立する共産党県委員会の石飛育久中部地区委員長は「政治を変えてほしいとの声は根強い」とし、同区の社民党新人を担ぐ山本誉選対本部長は「安倍政権の批判票を取り込めるよう粘る」とする。

 過去の投票日の天候(松江市)をみると、投票率が高かった09年は「曇り」で平均気温は23・6度と過ごしやすかった。逆に最低だった14年は「雪時々曇り」で平均気温は3・8度と寒波に見舞われた。

 今回は台風21号の接近で荒天が見込まれる。実際、日本列島に台風が上陸した1979年10月の選挙で、全国の投票率は前回選に比べ5・44ポイント低い68・01%だった。このため、島根県選挙管理委員会は20日、期日前投票を活用するようホームページで呼び掛けた。石倉智之選挙グループリーダーは「必ず権利を行使してほしい」と訴えた。

2017年10月21日 無断転載禁止