女子ログ 梅ジャム追想

 先日、生協のカタログを広げていると、梅ジャムが目に留まりました。私は南蛮漬け・しめサバも好物なので、要するに酸っぱいもの好きなのですが、梅ジャムは別格。勇んで注文しました。

 翌週、商品が届きました。箱から取り出しながら、思わず子どもに「お母さん、明日の朝、梅ジャム食べるんだ~」と宣言してしまうほど、込み上げる喜び。自分でも驚きました。

 梅ジャムというと思い出すのは、父方の祖母。祖父は能登で漆塗りの職人をしており、小学生の頃は夏休みに1週間ほど泊まりがけで帰省し、いとこと海水浴に行くのが恒例でした。灯籠にろうそくの光が揺れる夜のお墓参りも、怖くて楽しい思い出です。その輪島の家で食べたのが、私の人生初の梅ジャム。祖母が作ったそれは強烈に酸っぱく、小学生の舌にビリビリきました。

 不思議ですが、梅ジャムを思うと、祖母の薄い眉、よく着ていた藍色のワンピース、食事中にうちわであおいでいてくれたこと、古い家の匂いまで次々に浮かんできます。その家も今は取り壊されて跡形もありません。

 今回届いた梅ジャムは、今風に甘くて何だか物足りない。「もっと酸っぱくてもいいよねぇ」とつぶやきながらいただきました。

(出雲市・海苔蔵)

2017年10月31日 無断転載禁止