(100)天球儀・地球儀(津和野)

天球儀(左)と地球儀
日本特有の星座も記す

 津和野町後田の太皷谷稲成神社宝物殿には、同町輩出の偉人、堀田仁助(1747~1829年)が1808年に制作したとされる天球儀と地球儀が展示されている。県指定文化財になっており、ともに、当時の天文学や地理学の水準の高さを示している。

 堀田は江戸幕府で天文方として編暦や測量などに携わり、蝦夷(えぞ)地(北海道)への航路図を日本で初めて作成した。晩年は津和野藩校の養老館で数学教授として教べんを振るい、藩士らの教育に尽力した。

 両球儀ともに、堀田が8代津和野藩主・亀井矩賢(のりかた)に献上したもの。いずれも木製の球体に真ちゅう製の子午環をはめ、360度の度盛りが施されており、木製漆塗りの架台に載せられている。

 天球儀は、天文学者・渋川春海による日本で最初の星図「天文成象」を参考にしたとみられる。中国古来の星座に加え、「雅楽」「太宰府」など日本特有の星座も記されている。地球儀も正確に描かれており、学術的価値が高い。ともに保存状態が良好であることも特徴だ。

 亀井氏ゆかりの武具や美術工芸品が並ぶ同神社宝物殿は、普段は入場予約が必要だが、現在は、亀井氏入城400周年記念事業の一環で12日まで開放されており、貴重な文化財を気軽に見ることができる。

 入館料は500円。開館時間は午前9時~午後5時。

2017年11月2日 無断転載禁止