女子ログ ひと夏の思い出

 この春に会社を辞めた。それから旅行をしたり、積んでいた本を毎日カフェで読んだりと好きなことばかりしていた。そんな生活にすぐ飽きるかと思っていたが、2カ月たっても全く退屈せず、それどころか体調も良くなり、世界がバラ色に輝いて見えた。

 これはヤバい。このままでは貯金は底をつくしそもそも社会復帰できなくなると危機感を覚え、自らを律するために職業訓練校に通うことにした。期間は4カ月。どんな人がいるクラスなのか、勉強はついていけるだろうか。そんな心配もふたを開けてみれば無遅刻無欠席と杞憂(きゆう)だった。

 級友も親しみやすい人が多い。ここにいる皆は社会に出て「大人のつきあい方」を身につけている。そもそも就職という同じ目的を掲げるいわば同士である。そりゃあつき合いやすいし親しみも湧く。そんなわけで気の合うメンバーで昼休みにピザをデリバリーしたり、海でバーベキューや海水浴をしたりと楽しい夏となった。

 幸いなことに私は卒業直後に就職し、今までとは畑が違う職種に楽しくも疲れ果てているが、その度に夏を思い出しては頑張っている。

 皆も希望の職種に就いて忙しくしているだろうか。そしてあのチーズの熱さと肉の味を懐かしく思い出しているだろうかと、少しセンチメンタルになる秋のこの頃である。

    (安来市・ふかみどり)

2017年11月7日 無断転載禁止