レッツ連歌(下房桃菴)・11月9日付

(挿絵・麦倉うさぎ)
 先月30日付本紙の「つどう仲間」に、江津の「レッツ石央倶楽部」が紹介されていて、嬉(うれ)しく拝見しました。毎月第3火曜日に集まって、楽しくワイワイやっておられるそうです。これを機に、どんどんお仲間が増えて、年齢層も広がると、なおいいですね。

 本家?の「レッツ」のほう、今回の入選者は、25歳から90歳まで。

 さらに若い人たちも引きずり込もうと、今日発表の「連歌甲子園」(19面に掲載)にも、そのことを書いておきました。「大人」顔負けの名作を詠む高校生も少なくないのです。「レッツ」への投句、みなさんからも、ぜひお薦めください。

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 酔うほどにだんだん口が軽くなる

任せなさいとなんでも引き受け (浜田)松井 鏡子

隣で女房袖を引っぱり     (松江)持田 高行

四十過ぎれば朝みな忘れて   (益田)兼子 哲彦

初めて聞いたあの人の声    (美郷)芦矢 敦子

暖簾(のれん)しまって差しつ差されつ  (飯南)塩田美代子

度胸試しの先頭に立ち  (石川・金沢)松川 杏花

聞いたことない嫁さんのグチ  (美郷)吉田 重美

なぜかみんなが冷たい翌朝   (益田)吉川 洋子

お迎え役は下戸のご亭主    (浜田)勝田  艶

記憶にはない朝のコーヒー   (益田)竹内 良子

録画しておけ後々のため    (出雲)吾郷 寿海

ここだけだよと念を押すムダ

           (東京・八王子)藤江  正

古典落語の芸の細かさ     (松江)森  笑子

情報源は週刊新潮       (松江)土江 ユミ

夫婦喧嘩(げんか)のはじまりはじまり  (益田)石田 三章

秘書に録音されていたとは  (奥出雲)松田多美子

舌なめずりがヤツの限界    (益田)石川アキオ

店の外には文春の記者     (松江)水野貴美子

ホラまた出たぞ金鵄(きんし)勲章    (出雲)朝倉 嘉三

まんまと嵌(は)まる妻の作戦    (江津)江藤  清

なんともかわいい年下のカレ  (松江)花井 寛子

オレオレ詐欺に電話切らせず  (益田)石川アキオ

お話しロボがアイヅチを打ち  (出雲)石飛 富夫

失言はみなホンネなのです   (雲南)横山 一稔

同業他社が雇うホステス (沖縄・石垣)多胡 克己

胸のバッジが百均に見え    (松江)澄川 高子

取り入れ終えて豊作の秋    (浜田)勝田  艶

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 ふだんはよっぽど寡黙な人なんですね、敦子さん。驚きました。

 洋子さんの句は、「なぜか」がいい。本人だけが、わけを知らない…。

 笑子さんの落語―。私は六代目松鶴の「らくだ」が好きでした。東京の志ん朝が絶賛したという話があります。2人とも故人になられましたが…。

 三章さんの夫婦喧嘩は、おもしろがってはやし立てるのでしょうね。陽気でよろしい。なに、世話焼きのご隠居が割って入ったところで、ますます揉(も)めるのが関の山ですから。

 「金鵄勲章」は、戦前まで、特に武功のあった軍人・軍属に与えられた勲章。神武天皇東征の際現れたという、金色に輝く鵄(とび)にちなんだ命名だそうです。

 高子さんの「バッジ」は、やっぱり十一弁の菊の花をあしらった、あのバッジなのでしょうね。「百均に見え」るという、その落差がおもしろい。

 もっとも、酒を飲まなくても「百均に見え」る議員さんも、過去にはたくさんいらっしゃいました。今回当選なさった先生方はそんなことのないよう、よろしくお願いしたいものです。

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 次は、

  年に一度の煤(すす)払いして

に、長句(五七五)を付けてください。

2017年11月9日 無断転載禁止

こども新聞