島根県がエノキタケ新品種 キノコ商品力強化へ初開発

島根県が独自に開発し、試験販売されているエノキタケ=島根県奥出雲町八川、舞茸奥出雲直売所
 島根県は、エノキタケの新品種を開発した。中山間地域の農家を中心に重要な収入源となっているキノコ類の商品力を強化するのが狙いで、県がキノコの独自品種を開発するのは初めて。実証栽培に取り組む同県奥出雲町の企業が試験販売を始めたところ、傘が大きく食感にも優れており、消費者の人気を博している。県は来年から、市場での本格流通を目指している。

 県林業課によると、県内の栽培キノコ類の生産額(2015年)は約17億円。農林産の栽培作物ではコメの172億円、ブドウの24億円に次ぐ規模となっている。一方で08~09年に3千トンを超えていた生産量は、11年の福島第一原発事故の風評被害による市場単価の下落や生産者の高齢化などで減少傾向にあり、16年は約2600トンに落ち込んでいる。

 生産振興を狙い、県中山間地域研究センター(飯南町上来島)が12年度に新品種の開発に着手。県内で採取した野生種を交配して種菌を作り、生産法人やJAの部会など15団体でつくる「島根きのこ生産振興会」の協力を得て、15年度から菌床での実証栽培に取り組んだ。エノキタケは幅広い料理に使われ、一定の需要が見込めることから、開発対象に選んだ。

 新品種は一般のエノキタケより黄色みを帯び、傘が大きく、シャキシャキとした歯応えと甘みに特徴がある。県は17年度中に国に品種登録を出願する計画。

 エノキタケは現在、県内では生産されていない。県は、種菌メーカーより安価に種菌を購入できる体制を整え、普及を促す考え。本格流通に向け、新品種の特性や県ブランドとして売り込むPR戦略も練っていく。

 10月に試験販売を始めた奥出雲町八川の「舞茸奥出雲」は直売所で、1袋(200グラム入り)を250円で1日約30袋販売し、すぐに売り切れるほどの需要があるという。担当する鹿野努課長は「有力な生産品種に十分なり得る」と期待した。試験販売は11月末まで行う予定。

2017年11月10日 無断転載禁止