伝統文化に親しんで 益田糸操り人形保持者会が新作披露

新作「びんぼう神」を披露する益田糸操り人形保持者会のメンバー
 島根県指定無形民俗文化財・益田糸操り人形を継承する益田糸操り人形保持者会(岡崎文宏会長、18人)が、子ども向けの演目「びんぼう神」を制作した。昔話を題材にしたオリジナル作で、子どもたちにも伝統文化に親しんでもらうのが狙い。今後、小学校での出前公演などで積極的に上演し、糸操り人形の魅力を伝える。

 「びんぼう神」は、大みそかを迎えた貧しい老夫婦が、家に居着く貧乏神をあの手この手を使って追い出そうとするストーリー。通常演じている人形浄瑠璃と違い、聞き取りやすいナレーションや分かりやすい人形の動作などさまざまな工夫を凝らし、現代風に仕上げた。

 保持者会は年間8回程度、市内の小中学校などで出前公演を行っているが、保持演目は古めかしく、低学年に伝わりにくいという課題があった。子どもたちにも分かりやすい演目を作ろうと、2年前から人形や台本、舞台セットの製作などに取り組んできた。

 益田市有明町の県芸術文化センター・グラントワでこのほど行った定期公演で初披露。老夫婦が貧乏神を何度も戸口から放り出してもたんすから現れる場面や、「小判、餅が嫌い」と頓知を働かせて貧乏神から欲しい物を手に入れる場面などをコミカルに繰り広げ、来場者約200人の笑いを誘った。

 岡崎会長(59)は「子どもから大人まで好評だったので、大変うれしい。新作を糸操り人形の次代への継承につなげたい」と意気込んだ。

2017年11月14日 無断転載禁止