(101)震湯カフェ内蔵丞(大田市)

温泉津温泉のシンボル

大正ロマンあふれる2階建ての木造洋館「震湯カフェ内蔵丞」
 世界遺産・石見銀山遺跡から西に約10キロ離れた温泉津温泉(大田市温泉津町温泉津)の温泉街。2階建ての木造洋館「震湯(しんゆ)カフェ内蔵丞(くらのじょう)」の大正ロマンあふれる、レトロなたたずまいが目を引く。

 従来は温泉の浴舎。1919(大正8)年築で、同温泉街に現存する温泉施設では最古という。温泉津町で代々庄屋などを務めた内藤家が所有し、設計は興雲閣(松江市)と同じ和泉利三郎。カフェ名は1872(明治5)年の浜田地震で湯が噴出した歴史と、同家初代の内藤内蔵丞に由来している。

 隣接地に、現在も「薬師湯」として親しまれる新館が完成したことから1959(昭和34)年に閉館。その後は物置となり、イベントなどで単発的に利用されるにとどまっていた。

 転機は2004年。現・薬師湯代表の内藤陽子さんが「温泉津の町並みのシンボルがこれではいけない」とギャラリーとして改装し、07年には「温泉街をゆっくり巡ってもらうためにも憩いの場を」とカフェを併設した。

 建物内は、内藤家が所蔵するアンティーク家具や調度品に囲まれ、重厚で格調高い雰囲気に包まれる。現在も有料休憩スペースとして使用する2階へと続く大階段も必見だ。

 メニューはコーヒー、ケーキなどの軽食に、内藤家に「奉行飯」として伝わる汁かけご飯なども準備。夕暮れになり、明かりがともり始めると、建物は昼間とは違った幻想的な雰囲気を醸し出す。

 営業時間は午前11時~午後5時。毎週木曜が定休。

2017年11月16日 無断転載禁止