女子ログ 気まずいこと

 フェニックスの街中で、年中どこでも見かける物乞い。渡米したばかりのころは、大型スーパーの中で食べ物を恵んでくださいと声を掛けられ、サンドイッチを買って、あげたこともあれば、アパートの駐車場前で声を掛けられ、家に戻って冷蔵庫の果物を詰めて渡したら「お金とか子供用のオムツとかくれないの?」と詰め寄られ、管理人室に逃げ込んだこともあった。

 最近は「現金は持ち歩いていません」と断っている。本当に生活に困窮しているホームレスもいるが、そうではなくライフスタイルとして物乞いをしている人が多いように見えるからだ。

 いつも通る交差点に、ある物乞いの人がいると必ず少し先に車が止まっていたり、ペットを連れて「犬に食べさせる分だけでも恵んでください」と看板を持っていたりするし、私よりもきっと食べていそうだなという体格を半年以上キープしている人もいる。

 見た目では推し量れない何かを抱えていて物乞いをしているのだろうし、そうだとしたら気の毒だが、道で話し掛けられたり、信号待ちのときに車の窓越しに訴えられたりすると、断るか、目を合わせずに通り過ぎるのを待つのが精いっぱい。そんな自分が嫌だし、そうさせる状況も嫌で、フェニックスの生活で一番嫌なことだ。

(松江市出身、米国フェニックス在住・サボテン)

2017年11月17日 無断転載禁止