レッツ連歌(下房桃菴)・11月23日付

(挿絵・Azu)
◎ためしてガッテン見てたはずだが

肝心なところはいつも夢うつつ (浜田)松井 鏡子

◎めくるページへタマがじゃれつき

レシピ見るスマホの画面また変わり

               (松江)土江 ユミ

◎言われなくてもするお手伝い

定年後妻の権力強くなり    (雲南)妹尾 福子

0点の答案そっとしまい込み  (益田)大居 鴻平

◎お葬式にも即時対応

門前の小僧習わぬ経を読み   (出雲)原  陽子

名司会一オクターブ声落とし  (雲南)錦織 博子

◎教えてくれた人がカアちゃん

後ろから大きな声でチガウダロー(益田)石川アキオ

分校の生徒はボクがただ一人  (松江)澄川 克治

◎蹴っ飛ばしたいロボット掃除機

目の前で持っていかれたコンタクト

               (松江)小豆澤悦子

ずいぶんと嫁入り道具も変わったね

               (益田)竹内 良子

◎隣の家もトイレ提供

ドカ雪が行く手を阻む9号線  (松江)岩田 正之

◎デイで出会った初恋の人

五十年こんな近くで暮らしてき (松江)川津  蛙

面影がかすかに残る車椅子   (浜田)勝田  艶

◎島の人口半分になり

夕食はいつもアワビの踊り焼き (美郷)芦矢 敦子

◎ウチにおいでの一言もなく

あっさりとデートの後はさようなら

               (浜田)放ヒサユキ

◎あれガイドさんどこへ行ったの

目のつかぬとこへ移った喫煙所 (江津)花田 美昭

松茸のシロはだれにも教えない (松江)高木 酔子

◎帰って来いのことば呑(の)み込む

郷土愛だけじゃ暮らせぬ過疎の村(松江)三島 啓克

◎今日も多忙な少子化対策

仲人が新村長の初仕事     (松江)持田 高行

◎日本の技術世界にはばたく

あっちこち手抜きするのが玉に瑕(きず)(松江)田中 堂太

◎被り物脱ぎヒトに戻る日

ぜったいに覗(のぞ)いちゃダメと言われたが

  (飯南)塩田美代子

エプロンを着けて女優も母の顔 (松江)加茂 京子

終戦の翌年元旦出た詔書    (江津)花田 美昭

◎半額セールは目と鼻の先

暑かった夏から冬へ衣替え   (米子)板垣スエ子

 「0点の答案」を隠したのなら、別にお手伝いなんかしなくてもよかったのですが、そこはやっぱり気が引けるのでしょうね。そうして、結局は「0点」がバレてしまう?

 「分校の生徒」は、前句の「カアちゃん」を、奥さんではなく、母親という意味に読み直した名句―。いや、ちょっと待ってください。やっぱり元のままの意味に取ったほうが、おもしろいのかもしれない。ほんとうはどちらだったのでしょうか、克治さん。

 正之さんの下五は、もと「幹線道」とありました。作り話だからなんでもいいようなものの、いやいや、作り話だからこそ、固有名詞のほうがいいのではないか、と私は思います。ウソはウソとして、リアリティーの問題です。

 高行さんの句は、「新村長仲人役が初仕事」とあったのを、これも少し手を入れさせていただきました。

 お二人には失礼ながら、みなさんのご参考までに。

 次は、今日の入選句のどれかを前句に借りて、それに短句(七七)を付けてください。

 第四木曜日のこのシリーズ、今度が今年最後になります。

2017年11月23日 無断転載禁止

こども新聞