世事抄録 将棋物語

 10代の藤井聡太四段や「ひふみん」の活躍で今年は将棋が脚光を浴びた。言うまでもなく将棋はわれわれの子どもの頃のメジャーな遊びの一つだった。

 私のじいさんはヘボのくせにどういう訳か、脚の付いた立派な将棋盤とツゲの駒を持っており、黒塗りの車の紳士が時々来宅、仕事を中断したじいさんと将棋を指したり、じいさんを迎えに来た車が門口に止まったりしたことがあった。

 さるお役所の高官だったとのことだが、いきさつは知らぬ。揮発油を浸した脱脂綿で、将棋の駒を一つ一つ拭いてから2人の将棋が始まるのが常であった。駒がツゲだからなのか、この方がよほど清潔好きなのか、あるいはじいさんの生臭い手を気にしたのか。魚屋だったので。

 先日久しぶりに押し入れから、盤と駒を持ち出し、孫どもと将棋をしたが、本将棋ではない。

 まず初めは積み木将棋。盤上に積み上げた駒の山から人さし指1本で、自分の陣地へ引っ張りこんで駒を取るもの。音がしたら交代する。

 次は回り将棋。4枚の駒をサイコロにして出た目の数だけ盤の目を進む。サイコロが盤から落ちるとションベン、重なるとクソで1回休み。こんな単純なゲームに孫どもは大興奮。子どもたちもコンピューターゲーム一辺倒ではなく、古来の遊びにも目を向けてほしい。

(松江市・変木爺)

2017年11月30日 無断転載禁止