心のあり方を大事に 「花戦さ」DVD発売

 インタビューに答える篠原哲雄監督=東京都内

 天下人・豊臣秀吉の圧政をいさめるため、花で“戦さ”を挑んだ華道家元・池坊の初代池坊専好の姿を、野村萬斎主演で描いた映画「花戦さ」のDVDが発売された。篠原哲雄監督は「心を持って接すれば何かを動かすことができる。花を通して伝えた専好の心のあり方を大事にしたかった」と語る。

 「生け花」をテーマにした異例の作品。原作の小説を通じて、篠原監督は「日本人にとって花をめでることは日常にあるものだと改めて知った」という。専好も市井の人々に交じり、純粋に花を愛する少年のような人物として萬斎が演じている。

 専好が松の枝を見上げて「ががががっ」と天に向かう様子を表現したり、手おけを持ったまま走りだしたり。萬斎のアイデアで生まれたシーンが「専好のキャラクターが表れて、面白かった」と表情を和ませる。

 専好と交流を持つ千利休役、佐藤浩市の静かなたたずまいが印象的だ。篠原監督は「花や茶をたしなむ精神を失った秀吉に、それを伝えられなかったことを悔やむ人物を演じていたんじゃないか」と話す。狭い2畳の茶室で秀吉(市川猿之助)と利休が相対するシーンは、緊迫感がにじむ。

 次々に登場する、美しい生け花が映画を彩る。

「正面から一番美しく見えるように生けてあると池坊の方々から教わり、正面からどう見えるかを(気をつけるよう)心掛けた」

 DVDは東映ビデオから発売。

共同通信社 2017年12月6日 無断転載禁止