世事抄録 ペットの役割

 わが家にはペットがいた。「いた」というのは、半年前に約18年も飼った愛犬が死んだからだ。犬の18歳はまれに見る高齢だそうだ。ネットなどで調べると、中型犬の場合人間年齢に換算すると約100歳だという。

 雌の雑種で、顔が柴犬に似ていた。生まれて3カ月くらいで誰かに捨てられたらしく、野良犬として役所につながれていた。その日の午後には殺処分の運命だったのだが、ふと通りかかった小生と目が合った。野良犬なのに、人間を怖がるでもほえるでもなく、その人懐こい瞳に小生は一発でやられた。連れ帰って家族面接の結果、もちろん合格。以来、家族として一緒に過ごし、半年前に大往生を遂げたのだ。

 さて、現在小生は妻と2人だけの高齢者暮らし。次のペットをどうしようかと思案中だ。ペットのいない生活は、毎日朝夕の散歩から解放され、旅行の際にも親戚などに預ける手間がなくなり、確かに楽だ。それに、これから飼い始めると、少なくとも十数年は責任を持つ必要があり、そうなるとこちらのほうがおぼつかなくなる。

 ただ、「ガチ」で顔を突き合わす2人暮らしにとって、ペットは緩衝材として大きな役割も果たしてくれる。毎日の散歩は面倒な半面、18年間にわたって小生の健康を支えてくれたことも確かだ。

 さて、どうしよう。今日も悩んでいる。

(島根県津和野町・柊)

2017年12月7日 無断転載禁止