仕事みてある記 土や炎と格闘しながら器作り

先人から受け継いだ技術を磨き、山陰の自然をイメージした色合いの器作りに精を出す目次潤平さん。日用品と美術工芸品の両方の作品作りに取り組んでいます
陶芸家

目次 潤平(めつぎ じゅんぺい)さん

    (松江市浜乃木)

 「暮(く)らしの中で使われる器(うつわ)をデザインし作り出す仕事です」。松江(まつえ)市浜乃木(はまのぎ)、夢蓂窯(むめいがま)の窯元で陶芸家(とうげいか)の目次潤平(めつぎじゅんぺい)さん(37)は、土や炎(ほのお)と格闘(かくとう)しながら、皿(さら)やコーヒーカップなどの日用品とともに、美術(びじゅつ)工芸品の創作(そうさく)に打ち込(こ)んでいます。

 こねた土のかたまりを、ろくろに乗せて回転させ、器を作ります。乾燥(かんそう)や焼きの工程(こうてい)で少し縮(ちぢ)むので、その分大きめに、形や厚(あつ)さを指先で調整します。1日~数日乾(かわ)かし、さらに余分(よぶん)な土をけずって成形します。

 「水分が残ると焼いたときに膨張(ぼうちょう)して割(わ)れてしまいます」。完全に乾燥させた後、800~850度で素焼(すや)きをし、色をつけるため釉薬(ゆうやく)をかけます。釉薬は求める色によってベンガラ(茶黒)、コバルト(青)などの着色剤(ちゃくしょくざい)や、草木の灰(はい)などを自分で配合します。

 「本焼きには高い温度が必要なので、高温に耐(た)えられる土選びが大切です。300近い種類の中から選んで組み合わせます」

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 松江市生まれ。父親が陶芸家でしたが、仕事を見る機会はありませんでした。ところが高校2年生のとき、市内の店で鳥取県内に住む作家の白い壺(つぼ)を見て、強い衝撃(しょうげき)を受けました。「こんな作品が作ってみたい」。高校卒業後、京都の専門(せんもん)校と工房(こうぼう)で計4年間、陶芸の知識(ちしき)と技術(ぎじゅつ)を学んで帰り、窯の2代目になりました。

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 窯は3基(き)。本焼きは窯ごとに個性(こせい)があるので、火の回り方を考えて器を並(なら)べます。15~16時間、温度調節し最高1230~1250度まで上げていきます。作品の色は、水をイメージする青系(けい)、雪の白、草木を思わす緑系が基本。「山陰の自然や風景を思い描(えが)いています。少しの遊び心と、何にどう使うか、想像力(そうぞうりょく)を刺激(しげき)する器を作りたいです」

 「伝統(でんとう)工芸は単に古い物を模倣(もほう)することではなく、先人(せんじん)から受け継(つ)いだ優(すぐ)れた技術を磨(みが)くことです」といい、「技術を表現(ひょうげん)する場」として日本伝統工芸中国支部展(しぶてん)などへ出品しています。「素材(そざい)を生かす作品作りが目標です」

 「日用品も工芸品も両方取り組んでいきます。使う人に喜んでもらい、山陰の風景も表現したい。どんな作品を作るか、配色、釉薬、土選びと、終わりはありません。そこが面白いところです」

★メッセージ

 何事もやり続けることが大切だと思っています。失敗したら修正(しゅうせい)する。繰(く)り返し続けていくと、できるようになります。とにかく自分でやってみることです。良い作品を見ると出あいがあります。陶芸に興味(きょうみ)を持ってもらい、地元で取り組んでみてほしいと思います。

2017年12月13日 無断転載禁止

こども新聞