レッツ連歌(下房桃菴)・12月14日付

 お待たせいたしました。

 「レッツ!連歌」第四集、ぎりぎり年内に間に合いました。12月20日すぎには店頭に並ぶはずです。

 これで、来年のお年玉はキマリですね。お子さんやお孫さんのためにも、お一人5冊ずつぐらいお買い上げください。連歌を次世代に引き継いでほしいという気持ちも、もちろんあるのですが、とりあえずは、100人のかたがそうしてくださると、すぐに第五集の準備にかかれます。

 よろしくお願い申し上げます。

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 年に一度の煤(すす)払いして

去年よりまた一センチ背が縮み (松江)岩田 正之

この梁(はり)は屋根を支えて二百年  (松江)花井 寛子

楽しみはわが家の恒例ソバ祭り (出雲)平井 悦子

茹(ゆ)で加減すこし固めのほうがいい(松江)河本 幹子

アラあんた居たのと妻の低い声 (益田)吉川 洋子

夫には手を出させないワケがあり(美郷)芦矢 敦子

ガサガサに怒り狂ったスズメバチ(江津)星野 礼佑

三日だけ書いた日記を破り捨て (出雲)栗田  枝

新しい手帳に予定書き入れる  (江津)花田 美昭

老いてなおオシャレな父の山高帽(雲南)妹尾 福子

いま出たと届かぬソバに腹が鳴り(出雲)石飛 富夫

大仏は鼻に箒(ほうき)を突っ込まれ   (松江)田中 堂太

大仏の生命線の溝を掃き    (飯南)塩田美代子

一斉にカメラを向けるレンジャー隊

               (松江)安東 和実

ヘソクリをそおっと戻す額の裏 (益田)可部 章二

煩悩は大みそかまで取っておき

            (沖縄・石垣)多胡 克己

見つかったマイナンバーと五万円(浜田)勝田  艶

あやしげな写真もポトリ落ちてくる

               (松江)川津  蛙

貼り終えた障子へタマがダイビング

               (松江)水野貴美子

うんうんと頷(うなず)くたびに痛む首  (松江)小豆澤悦子

大仏もニコニコ顔で年を越し  (松江)持田 高行

妖怪も正月を待つピッカピカ  (雲南)板垣スエ子

おかしいなここに隠したハズなのに

               (松江)山崎まるむ

パラパラと本のページをめくってみ

(出雲)吾郷 寿海

いらないと娘が出せば戻す母  (益田)吉川 洋子

おばあちゃんまたネと帰るボランティア

               (浜田)勝田  艶

入浴剤たっぷり入れた湯につかり(益田)黒田ひかり

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 「山高帽」は近年は、鎮守のお祭りぐらいしか見かけることもなくなりましたが、そこが福子さんの句のおもしろいところ。「ベレー帽」では、前句との関係がしっくりきません。

 奈良の大仏さまの鼻の穴の大きさは、縦37センチ、横30センチ。箒は楽に入ります。ということは、生命線の長さは…、みなさん、計算なさってみてください。

 「ヘソクリ」が見つかるのも困るけど、「あやしげな写真」だともっと慌てる? 「ここに隠したハズ」なんかも、ふつうに読めば「ヘソクリ」でしょうが、これも案外「写真」なのかもしれません。お互い、気をつけたいものです。

           ◇

 さて、来年の新春特集の前句は、

  ドルやユーロも交じる賽銭(さいせん)

 いつも申しますが、ふだんは読むだけというファンのかたや、しばらくお休みいただいていたみなさんからも、お正月にはぜひ一句お寄せ願って、にぎやかに新年を祝いたいものと思っております。

 付句は、五七五の長句です。

(島根大学名誉教授)

2017年12月14日 無断転載禁止

こども新聞