2017年山陰10大ニュース 島根

 山陰中央新報社は2017年の島根、鳥取両県の十大ニュースを選んだ。島根県の1位は、北朝鮮のミサイル発射を受けた出雲駐屯地へのPAC3(地対空誘導弾パトリオット)配備や避難訓練。2位は相次ぐ政務活動費の不正問題、3位は山陰自動車道江津道路と中国横断自動車道広島浜田線へのワイヤロープ式防護柵の設置だった。

【1】陸上自衛隊出雲駐屯地に向かうPAC3搭載車両(左)=8月12日、出雲市松寄下町
【1位】 北ミサイル備えPAC3配備、避難訓練(8、9月) 北朝鮮問題 緊張高まる
 北朝鮮が日本の排他的経済水域(EEZ)内へのミサイル発射実験を相次ぎ実行した。さらに、米領グアム沖への新型中距離弾道ミサイル発射を計画し、島根県などの上空を通過すると予告したことを受け、政府は8月12日、地上配備型迎撃ミサイル「PAC3」を陸上自衛隊出雲駐屯地(出雲市松寄下町)などへ配備した。島根、鳥取両県では9月、落下に備えた避難訓練も行われた。


【2】政務活動費の不正を巡り、陳謝する和田章一郎県議=4月18日、松江市内中原町、島根県議会議事堂別館
【2位】 政務活動費不正相次ぐ 県議辞職にも発展
 民進党県連代表の和田章一郎島根県議が4月18日、2013~15年度に政務活動費(政活費)計140万円を不正に受け取った問題の責任を取り、県議を辞職、県連代表も辞任した。同県議では、自民党県連幹事長で最大会派の自民党議員連盟所属の森山健一議員や、同議連の中島謙二議員も不適切な使用を指摘された結果、それぞれ363万円、90万5千円を返還した。



【3】浜田道に試行設置されたワイヤロープ式防護柵=浜田市後野町(西日本高速道路提供)
【3位】 江津道路と浜田道にワイヤロープ式防護柵を設置(4月)
 山陰両県の高速道路の9割を占め、上下線を簡易ポールで区切った暫定2車線(片側1車線)でのはみ出し事故を防止する緊急対策として高速道路会社が4月、中国横断自動車道広島浜田線(浜田道)と、山陰自動車道江津道路のそれぞれ一部区間にワイヤロープ式防護柵を試行設置した。半年間の検証では死者はなく、事故防止効果が認められた。今後設置延長に向けた動きが加速する。


【4】トワイライトエクスプレス瑞風を出迎える園児ら=6月19日、出雲市駅北町、JR出雲市駅
【4位】 豪華寝台列車 「瑞風」運行開始(6月)
 JR西日本の豪華寝台列車「トワイライトエクスプレス瑞風(みずかぜ)」が6月17日、運行を始めた。高級感のある客室車両や展望車、食堂車などを備えた10両編成で、「走るホテル」と称される。定員は34人で、山陰、山陽を巡る5コースがあり、乗客は菅谷たたら山内(雲南市)などに立ち寄り観光できる。山陰両県の沿線では歓迎の取り組みをはじめ、瑞風を生かしたまちづくりの動きが広がった。



【5】雲南市で放鳥されたコウノトリ=7月12日、雲南市大東町養賀
【5位】 コウノトリひなが誕生(4月) 誤射で1羽死ぬ(5月)
 雲南市大東町春殖(はるえ)地区で国特別天然記念物・コウノトリのペアが春に営巣し、4月にひな4羽が誕生した。5月19日、サギの駆除をしていた地元猟友会員の誤射で雌の親1羽が死んだ。ひな4羽は兵庫県立コウノトリの郷公園(兵庫県豊岡市)が保護。成長した後、7月12日に大東町内の水田で放鳥され、大勢の市民らが喜びを表した。雲南市や周辺には別の複数のコウノトリも飛来した。


【6】登校中の児童を見守る地元住民ら=2月7日、益田市久々茂町
【6位】 登校児童見守りの男性死亡 飲酒運転の車にはねられ(1月)
 1月30日朝、益田市久々茂町の国道191号で、登校する児童の見守り中、道路を渡っていた同町の三原董充(ただみつ)さん=当時(73)=が飲酒運転の軽トラックにはねられ、31日に亡くなった。三原さんは小学生だった次女を交通事故で亡くし、子どもの安全を守るとの思いから見守りを続けていた。事故後、住民が自主的に見守りに参加し、現場には三原さんが願っていた信号機設置が決まった。


【7】JR三江線を走る列車=4月、島根県川本町内
【7位】 三江線代替バスと鉄道資産譲渡で協議(通年)
 島根、広島両県とJR三江線沿線6市町などでつくる「三江線沿線地域公共交通活性化協議会」は12月、来春で廃止になる三江線の沿線を対象に、バス路線を見直した再編実施計画案を策定した。三江線の代替バス路線を含む17路線を設定。国の認定を経て来年4月1日から運行をスタートさせる。一方、JR西日本は3月、鉄道資産の譲渡を6市町に提案。6市町が活用の検討を始めた。


【8】中国電力島根原発1号機で公開された、未使用燃料の除染作業=11月28日、松江市鹿島町片句
【8位】 島根原発1号機廃炉作業に着手(7月)
 原子力規制委員会が4月19日、中国電力島根原発1号機(松江市鹿島町片句)の廃炉工程をまとめた「廃止措置計画」を認可した。立地自治体の松江市と島根県は中電との安全協定に基づき、計画を最終的に事前了解し、7月に廃炉作業が始まった。計画は工程を4段階に分け、各6~8年程度で進める。30年度に原子炉解体に着手し、45年度の完了を目指す。費用は約382億円。



【9】益田市役所に掲示された羽田便増便継続を祝う懸垂幕=10月4日、益田市常盤町
【9位】 萩・石見空港1往復増便 2年間継続発表(10月)
 羽田空港の国内発着枠を配分する国土交通省の政策コンテストで、2017年度まで1往復増便の2往復となっている萩・石見空港(益田市内田町)について、同省は10月4日、増便を2018年3月25日から2年間継続することを発表した。島根県が、利用促進体制を県主導に変更し、基礎需要を掘り起こしていく姿勢をアピールしたことなどが、今後の搭乗者増加につながると評価された。





【10】7選を喜ぶ竹下亘氏=10月22日、東京・永田町、自民党本部
【10】祝福を受ける細田博之氏=10月22日、東京・永田町、自民党本部

【10位】 衆院選、現新4人当選(10月)
 第48回衆院選は10月22日投開票され、島根1区は自民党前職の細田博之氏が立憲民主党新人の亀井亜紀子氏を抑えて10選、2区は自民党前職の竹下亘氏が7選を決めた。また、比例中国ブロックで自民党から単独立候補した元大田市議の三浦靖氏が初当選を果たし、重複立候補した亀井氏が復活当選した。県内の投票率は60.64%で、都道府県別順位は4位。1969年以来、16回連続で守った首位を明け渡した。

2017年12月25日 無断転載禁止