(104)市立歴史民俗資料館(益田市)

国の登録有形文化財に認定されている益田市立歴史民俗資料館の建物
大正の役場建築伝える

 益田市本町の市立歴史民俗資料館の建物は、1921(大正10)年に美濃郡役所として建てられ、益田署、県の益田総合事務所などを経て83年5月、同資料館として開館した。

 木造平屋で、床面積約340平方メートル。石州瓦がふかれた屋根は陽光に映え、重厚感が漂う。車寄せがある正面の玄関は入り母屋造りで、大正期の役場建築の特徴をよく表している。

 築後50年を経過した歴史的建造物のうち、歴史的景観に寄与している▽造形の規範となっている▽再現が容易でない―の条件をクリアし、96年に国の登録有形文化財に認定されている。

 所蔵品は農具や漁具、養蚕(ようさん)具など、古民具を中心に約6千点。館内には、中世に益田を治めた領主・益田氏の館であった三宅御土居とその周辺の町並みの模型を展示しているほか、郷土の偉人である作家・田畑修一郎、棋士・岩本薫和、活動写真弁士・徳川夢声の遺品なども並ぶ。

 益田川のそばに立つ建物は、83年7月に県西部を襲った豪雨水害で被災。開館当初から同館の業務に携わる新松晴美館長(58)は「開館から約3カ月後に水害に見舞われ、建物内は1・2メートル浸水した」と述懐する。

 開館当初の入館者は年間5千人、平成に入ってからは、およそ3500人で推移。小中学生が授業で訪れるなど、市民の歴史学習の拠点として存在感を示している。

 現在は、市民が大切に所蔵する漆塗りの釣りざおや幕末の陣羽織など約300点を展示する企画展「わが家の宝もの展」の会期中。新松館長は「来館の折には、築後およそ100年がたつ建物も眺めてもらい、往時に思いをはせていただくと幸いだ」と話す。29日~1月3日は休館。

2017年12月28日 無断転載禁止