天空歌声列車 新年祝う 住民ら三江線に感謝

JR宇都井駅に停車した三江線の車内で歌声を響かせる参加者=1日午前0時13分、島根県邑南町宇都井
 2018年3月末で廃止になるJR三江線の宇都井駅(島根県邑南町宇都井)で12月31日深夜から1日未明にかけて、年越しイベントが開かれた。地元住民らが貸し切り列車の中で歌ったほか、カウントダウンを行い、地域を走り続けた三江線に感謝した。

 地上約20メートルにあり「天空の駅」と呼ばれる同駅で思い出に残ることをしようと、廃止後の地域振興策を考える島根、広島両県の住民組織「三江線地域フォーラム」などが企画した。毎年11月に同駅一帯をイルミネーションで彩るイベント「INAKA(イナカ)イルミ」の関係者らが「年越しイベント実行委員会」を組織。駅舎をイルミと同じく青色にライトアップし、周辺の水田には稲穂をイメージした黄金色の電飾を設置した。

 同フォーラムが「天空の歌声列車」と名付けた2両編成の貸し切り列車が浜原(島根県美郷町浜原)-口羽駅(同県邑南町下口羽)間を運行。宇都井駅で停車し、車内では松江市在住のシンガー・ソングライター浜田真理子さん(53)と約40人の参加者が「線路は続くよどこまでも」や「故郷(ふるさと)」など7曲を合唱した。

 また、地上では、地域住民が屋台を出し、雑煮を無料で振る舞ったほか、年越しに合わせて約100人がカウントダウンして、新年の幕開けを祝った。

 宇都井駅近くの祖母宅に帰省し、歌声列車に参加した神戸市兵庫区の会社員世古口あゆみさん(34)は「三江線がなくなるのはさみしい。宇都井駅は自慢できる貴重な駅だと思う」と名残惜しそうに話した。

2018年1月3日 無断転載禁止