仕事みてある記 人と犬が幸せに暮らせる手伝い

「犬からの発信を受け止めてやり、気持ちのキャッチボールをすることが、人と犬が幸せに暮らすために大切です」と犬のトレーニングに取り組む竹内聖博さん=松江市古志町
ドッグトレーナー

竹内 聖博(たけうち きよひろ)さん

   (松江市古志町)

 「人と犬が幸せに暮(く)らせるお手伝いです」。松江(まつえ)市古志(こし)町に訓練場(くんれんじょう)を持つ「ドッグスクール縁(えん)」のドッグトレーナー、竹内聖博(たけうちきよひろ)さん(33)は、ペット犬にしつけなどの訓練をするとともに、飼(か)い主に愛犬との接(せっ)し方などをアドバイスし、絆(きずな)を深める支援(しえん)活動に取り組んでいます。

 「運動をさせて」「自由に遊ばせて」「困(こま)りごとのしつけを」。飼い主からの相談を受けてトレーニングを行います。

 「ハウス」と声をかけ、犬小屋に見立てた容器(ようき)の方向を指差(ゆびさ)すのは、ケージに入る訓練。おしっこは、トレーを柵(さく)で囲(かこ)んだ中に犬を入れてやります。「お座(すわ)り」「来い」「伏(ふ)せ」…。指示(しじ)は言葉のみです。できたら「カチッ」と音がするクリッカーを鳴らし、おやつを与(あた)え、ほめてやります。

 犬は、指示通り行動するとカチッと音が鳴り、おやつがもらえると気づき、すると「できたよ」とメッセージを送ってくるように成長します。「頑張(がんば)ったね」。犬の気持ちを受け止めてやると、意欲的(いよくてき)に行動する、といいます。

 「犬の自発性(じはつせい)を促(うなが)すよう訓練します。やる気を示(しめ)しているなら、間違(まちが)った行動も、しかりません」

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 京都府舞鶴(きょうとふまいづる)市生まれ。大学生のとき、犬の殺処分(さつしょぶん)問題を扱(あつか)った本に出合いました。飼えなくなった理由は「鳴き声がうるさい」「言うことをきかない」…。「飼い主が少し気をつけたら仲良く暮らせるのに」。しつけの手助け役になろうと、大阪(おおさか)の訓練施設(しせつ)で学び、住み込(こ)みながら経験(けいけん)を積みました。JKC(ジャパン・ケネル・クラブ)公認(こうにん)訓練士の資格(しかく)を取り、妻(つま)の出身地で思いを実践(じっせん)しています。

 飼い主対象(たいしょう)の「しつけ教室」を開いて、犬との接し方を指導(しどう)、助言します。「犬が落ち着き、安心する」のです。トンネルやバー、シーソーなどを配したコースを犬が走り、飼い主が伴走(ばんそう)して順位を競う競技(きょうぎ)(アジリティー)の訓練も行い、楽しみながら絆を深める支援をしています。

 柴犬(しばいぬ)は独立心(どくりつしん)が強く、ダックスフントは、ほえるように改良された犬…。耳や尾(お)を立てるなどは緊張感(きんちょうかん)の表れで、体をかく、目をそむけるなどはストレスの合図。「飼う前に犬のことを知り、気持ちを読み取る習慣(しゅうかん)が大切です。犬からの発信を受け止めてやらないと、問題行動につながります」。

 心のキャッチボールが、人と犬が幸せに暮らし殺処分を減(へ)らすことにつながる、と信じています。

★メッセージ

 どんな仕事でも相手を思いやり、人の役に立とうとする気持ちが大事です。犬は家族の一員であり、犬を通していろいろな人とつながりができるのは素晴(すば)らしいし、犬と飼い主の手助けができるのはやりがいがあります。必要とされているのが実感できる仕事です。

2018年1月10日 無断転載禁止

こども新聞