きらめく星 犬にまつわる星

おおいぬ座=2017年11月6日、出雲(いずも)市大社(たいしゃ)町の追石鼻(おいせばな)で撮影(さつえい)
最も明るく輝くシリウス

 今年は戌年(いぬどし)ですね。十二支(じゅうにし)の戌と直接(ちょくせつ)の関係はないものの、夜空にも犬の星座(せいざ)がいくつかあります。その代表が、おおいぬ座です。

 今の時季、夜の初めごろの東の空には、リボンのような形をしたオリオン座が見えていて、その下にたいへん明るい星があります。シリウスといい、これがおおいぬ座の星です。時間が経(た)つにつれシリウスは南の方に移動(いどう)して、その周りの犬の姿(すがた)を思わせる星の並(なら)びが見やすくなります。

 おおいぬ座は、はるか昔からあったわけではありません。ギリシャでは、もともとシリウスだけが「犬の星」と呼(よ)ばれていました。後になって、シリウスの周りの星をうまく犬の形につないで、おおいぬ座が考え出されたようです。今から2000年以上前のことだったのですが、それでもほかの主な星座に比(くら)べれば、おおいぬ座は遅(おく)れて作られました。

 さらに歴史をさかのぼると、古代エジプトでは、シリウスはアヌビスという神様としてあがめられたという話があります。シリウスが夜明け前の東の空に昇(のぼ)る7月ごろが年の初めと、約5000年前のエジプトでは決められていましたので、その重要さから神様に見立てられたのでしょう。巻物(まきもの)などに描(えが)かれているアヌビスは、頭が犬になった人の姿をしています。

 また、中国では、やはり2000年以上前からシリウスは「天狼(てんろう)」と呼ばれました。天のオオカミということですが、オオカミもまた犬の仲間ですね。

 世界中でシリウスが犬に結びつけられたのは、偶然(ぐうぜん)かもしれませんが不思議(ふしぎ)です。ぎらぎらとした光は多くの人に、するどい牙(きば)を持つ荒々(あらあら)しい犬を連想させたのかもしれません。

 シリウスは空じゅうの星座の中で最も明るく輝(かがや)く星ですので、ぜひ見てもらいたいのです。冬の夜空に犬の星を探(さが)してください。

◆島根県立三瓶(さんべ)自然館サヒメル天文事業室長・竹内幹蔵(みきまさ)

2018年1月10日 無断転載禁止

こども新聞