(105)厳島神社所蔵「和船模型」(浜田市)

航海の安全を願って奉納された和船模型(浜田市教育委員会提供)
船の主要部分1本の松

 浜田市瀬戸ケ島町の厳島神社が所蔵し、市の文化財に指定されている「和船模型」は、江戸時代に地元の海産業者が航海の安全を祈願して奉納したもので、同様の和船模型は県内に数少なく、珍しいという。江戸時代に浜田が北前船などで栄えたことを示す貴重な遺産だ。

 全長133・3センチ、幅44・5センチ、高さ50・5センチと大型の模型で、江戸後期に主に使われた、大型の荷物を運ぶ弁才船(べざいせん)をモデルにして、船の主要部分は1本の松の木をくりぬいて作られている。

 外側の船底部分は黒く塗りつぶし、船を囲う垣立(かきたつ)の外装には模様を彫り込むなど、写実的に表現されている。組木部分の帆柱やかじ、前方の屋蔵板は失われているが、外観は忠実に再現している。

 船尾に「嘉永五年 奉寄進」、屋蔵板の裏側には「明神丸」、側面には「仲」と墨で書かれていることから、浜田の海産業者が、海での航海の安全を祈願して1852(嘉永5)年に厳島神社に奉納したと推察される。また、航海の安全を祈った船絵馬も奉納されており、多くの船でにぎわったことが分かる。

 文化財を管轄する市教委文化振興課の小松真人主事(25)は「浜田の港が栄えていたことを表す貴重な遺産なので、多くの人に知ってもらいたい」と話す。

2018年1月18日 無断転載禁止