石見銀山 たんけん隊 <22時間目>

 2007年、石見(いわみ)銀山遺跡(いせき)は国内で14番目に世界遺産(いさん)に登録(とうろく)されたよ。国連教育科学文化機関(ユネスコ)が銀山を世界遺産に登録した理由を学ぼう。

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世界遺産登録へ向けて、製錬が行われた工房跡を発掘調査する担当(たんとう)者=2001年2月、大田市大森町
銀生産の跡 きれいに残る

 しおり 石見銀山が世界遺産に登録されたのはユネスコに三つの価値(かち)が評価(ひょうか)されたからよね。

 さとる 一つ目の「銀を採掘(さいくつ)、製錬(せいれん)した跡(あと)が良好に残る」ってどういうこと?

 先生 ユネスコが世界遺産登録のために設(もう)けた10個(こ)の基準(きじゅん)のうち

 「文化的伝統(でんとう)または文明の、唯一(ゆいいつ) のまたは非常(ひじょう)にまれな証拠(しょうこ)を示(しめ)し ているもの」

に当てはまるんだ。

 しおり う~ん、難(むずか)しくてよく分からない。

 先生 銀山では、発見された戦国時代から長く続いた江戸(えど)時代まで、機械(きかい)ではなく人の手によって採掘、製錬が行われていたね。今でもその証拠を至(いた)るところで見ることができるんだ。

 さとる 知ってる! ぽっかりと口を開けた小さな間歩(まぶ)がたくさんあったよ=写真

 しおり 龍源寺(りゅうげんじ)間歩の壁(かべ)には丁寧(ていねい)に掘(ほ)り進められた跡を見ることができたわ。

 先生 それらが昔ながらの手作業で採掘した証(あか)しだね。

 さとる それなら灰吹(はいふき)法も伝統的な製錬作業といえるね。

 しおり 釜屋(かまや)間歩の隣(となり)にあった大きな岩盤(がんばん)を加工した製錬施設(しせつ)が貴重(きちょう)な証拠になるわ。

 先生 そうだね。他にも発掘調査(ちょうさ)では地中から銀を製錬した炉(ろ)の跡がいくつも発見されたよ。

 さとる 仙ノ山(せんのやま)には人工的に造(つく)られた平らな土地がたくさんあったけど、多くの遺跡が土の中で長い間大切に保存(ほぞん)されていたんだね。

 先生 住宅(じゅうたく)や製錬工房(こうぼう)は1千カ所以上も確認(かくにん)されているんだよ。

 しおり こうしてみると銀山には、伝統的な技術(ぎじゅつ)で銀を生産した跡がきれいな状態(じょうたい)で残っているわね。

 先生 その上で、石見銀山は高品質(こうひんしつ)で大量の銀が生産された、世界的にも珍(めずら)しい場所だからね。

 さとる まさに世界遺産にふさわしい遺跡というわけだね。

=もっと知りたい= 明治以降の大規模開発で遺跡は壊されなかったの?

 多くの施設(しせつ)は仙ノ山(せんのやま)から少し離(はな)れた場所に建設(けんせつ)されたんだ。また、採掘(さいくつ)は地下深くが中心だったため、江戸(えど)時代までの遺跡(いせき)は運よく良好な状態(じょうたい)で守られたよ。

・石見銀山資料館(しりょうかん)学芸員・藤原雄高(ふじはらゆたか)

2018年1月24日 無断転載禁止

こども新聞