輝(き)らりキッズ 島根県わがまち新聞コンクール小学生部門最優秀賞

「松江水浸新聞」 47水害跡歩いて調査地図化

4年連続応募 宍道湖や水探究

後藤 昊(ごとう すがし)君 (乃木小6年)

新聞作りのために市内で当時の洪水の水位を調べる後藤昊君=松江市春日町、2017年8月
 みなさんが生まれるずっと前、1972(昭和(しょうわ)47)年7月に島根県を集中豪雨(ごうう)が襲(おそ)ったことを知っていますか? 後藤昊(ごとうすがし)君(12)=松江(まつえ)市立乃木(のぎ)小6年=は集中豪雨による被害(ひがい)や、そこから得(え)た教訓(きょうくん)について調査(ちょうさ)、取材し、1枚の新聞にまとめました。その名も「松江水浸新聞(みずびたしんぶん)」です。同新聞は、小中学生が自分の住むまちを取材し新聞にまとめる「島根県わがまち新聞コンクール」小学生部門で最優秀(さいゆうしゅう)賞に輝(かがや)きました。

 後藤君は小学3年のときに、担任(たんにん)の先生から夏休みの課題に新聞作りを勧(すす)められたのを機(き)に毎年挑戦(ちょうせん)してきました。3年は宍道湖(しんじこ)の藻(も)を調査した「あっちもこっちも新聞」、4年は中海の汽水湖(きすいこ)の仕組みを紹介(しょうかい)した「中海ラムサール条約(じょうやく)10周年おめでとう新聞」、5年は宍道湖の不思議(ふしぎ)な現象(げんしょう)に迫(せま)った「宍道湖上 中海海底 空と時を越(こ)えて新聞」。いずれも、同コンクールで入賞を果(は)たした力作です。

これまで作った新聞を手に取材を振り返る後藤昊君(右)と妹のさにかさん=松江市浜乃木4丁目
 「この小さな標識(ひょうしき)、何だろう?」。昨年8月、後藤君はJR松江駅で1972年の水位の記録を示(しめ)した標識を見つけました。両親から当時、集中豪雨で松江が大きな被害を受けたことを聞き、もっと知りたくなりました。

 同年7月、停滞(ていたい)した梅雨(ばいう)前線の影響(えいきょう)で県内外に多くの雨を降(ふ)らせました。県内では河川(かせん)の洪水(こうずい)だけでなく、宍道湖の堤防(ていぼう)が決壊(けっかい)し、周辺は1週間以上水につかりました。死者行方(ゆくえ)不明者は28人に達しました。

 後藤君は松江市内にある洪水標識の場所と水位を調べました。家族に手伝ってもらい2日間で22カ所の標識を発見。取材で訪(おとず)れた大橋川コミュニティーセンター(松江市殿(との)町)に聞くと、200カ所近く標識があることが分かりました。後藤君は「普段(ふだん)生活しているまちがこんなに浸水(しんすい)したことに驚(おど)いた」と話します。

 集中豪雨からの教訓も取材。ダムや放水路の建設(けんせつ)によって川の水量が調節されたり、川の水を海に逃(に)がしたりして洪水を防(ふせ)いでいることを知りました。「学校でも学んだけど、自分で調べてより知識(ちしき)が深まった」と振(ふ)り返ります。

 新聞を作るにあたり、後藤君は調べた標識の場所と水位を地図にまとめました。「水位を地図に書き込(こ)めば読む人に伝わりやすいと思った」と工夫(くふう)しました。コンクールを主催(しゅさい)する県NIE推進協議会(エヌアイイーすいしんきょうぎかい)は「現地(げんち)をくまなく調査し、写真やデータで分かりやすくまとめた」と評価(ひょうか)。後藤君も「自分の足で歩いて調べたので納得(なっとく)いくものができた」と笑顔(えがお)を浮(う)かべます。

 「4年間の新聞作りを通して宍道湖や水への知識がつき、知りたいことも増(ふ)えた」。後藤君の探究心(たんきゅうしん)は尽(つ)きません。

プロフィル

【好きな教科】 理科、社会
【好きな食べ物】 ローストビーフ
【好きなスポーツ】 野球
【将来(しょうらい)の夢(ゆめ)】 医者

2018年1月24日 無断転載禁止

こども新聞