レッツ連歌(下房桃菴)・1月25日付

 まずは新春クイズの答え-。最初から順に、

  津和野・黒松・日原・江津・下府・仁万・岡見・宍道・敬川・馬路・久代・益田・本俣賀・波根・浜田・出雲市・直江・折居・浅利・三保三隅・鎌手・都野津・久手・東青原・西浜田・五十猛・田儀・静間・波子・来待・青野山・小田・石見津田・江南・湯里・荘原・石見福光・松江

 「三保三隅」を詠み込んだ「ミセス三保ミス三保に化け不倫らし」には、私も驚きました。

 不倫するのはいいとして、「でも、それがなぜ三保夫人なのですか」と尋ねると、長駆先生、「そういう名前なのだから仕方がない」―。

 こういうバカバカしい遊びにも効用はあります。そろそろ「三保三隅」を使ってやろうかと待ち構えていたからこそ、「不倫」の句ができたわけで。そうでなく、ただ前句に付けることだけを考えていたのでは、まず思いつかない世界でしょう。

 地名や人名や、なんでもいいのですが、それを必ず詠み込むという課題を与えられると、びっくりするような世界が開けるものなのです。

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(挿絵・Azu)
 味のある字ととりあえず褒めておく

塾の先生和服着飾り      (出雲)石飛 富夫

次のことばを探しあぐねて   (江津)岡本美津子

思いもよらず恩師と仰がれ   (益田)可部 章二

自分のことは人に任せて    (出雲)行長 好友

巨匠の作と口をふさがれ    (雲南)錦織 博子

出口で突然マイク向けられ   (益田)竹内 良子

北風じゃなく太陽でいく    (雲南)渡部 静子

その一言で嫁に来たババ    (浜田)勝田  艶

キムチだけしか読めぬハングル (江津)大岩 郁夫

絵手紙ならば下手がいいのだ  (松江)加茂 京子

あまりにひどい絵をばさしおき (美郷)芦矢 敦子

古美術商はことば巧みに (埼玉・所沢)栗田  枝

高齢者向け書初め教室     (松江)持田 高行

そげんきんとにできゃしませんで(出雲)川上 光子

ママ叱るだけ叱らないババ   (出雲)吾郷 寿海

あんたバカねぇこの人師範よ(隠岐の島)浅垣 多世

すべての流派知るすべもなく  (松江)庄司  豊

そばで聞いててむずかゆくなり (浜田)滝本 洋子

前衛という頭でっかち     (益田)石田 三章

読める読めぬはまた別のこと  (出雲)野村たまえ

パソコン駆使の賀状ばかりで  (出雲)原  陽子

口は達者なシルバー教室    (出雲)岩本ひろこ

AIにまで忖度(そんたく)をされ     (松江)小笹 法子

ママのお花と同じなんだね   (江津)花田 美昭

日本語とよく気づきましたね  (松江)山崎まるむ

英語だったと息子大泣き    (浜田)放ヒサユキ

よくもここまで親に似るもの  (安来)根来 正幸

スマホをやめて毛筆にする   (松江)川津  蛙

手書きの名刺に笑い止まらず  (江津)江藤  清

見たこともない父のドヤ顔   (益田)黒田ひかり

スルスルスルと木に登るブタ  (松江)安東 和実

象舎の前に人だかりして    (松江)高木 酔子

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 千葉県の「市原ぞうの国」に飼われている、日本生まれのアジアゾウ「ゆめ花(か)」は、絵や文字を上手に書くことで有名です。YouTube(ユーチューブ)で私も見ました。立てかけられたイーゼル(画架)に向かって、鼻の先にくわえた筆を、器用にあやつるのです。字であれば、筆順まで正確。

 もちろん人間が誘導しているのでしょうが、それならそれで、句を付けることだってできそう。「味のある…」という前句を見せると、「象舎の前に人だかりして」―。ダメモトで提案してみましょうか。

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 次は、今日の入選句のどれかを前句に選んで、それに長句(五七五)を付けてください。

(島根大学名誉教授)

2018年1月25日 無断転載禁止

こども新聞