出雲市立北陽小5年4組 北陽の良さ伝えよう

 ぼくたち出雲市立北陽小学校5年4組は、自分たちが北陽の町の良さを知り、広めるために、『ふるさとのよさ広がれ北陽新聞』を作ってきました。自分たちの足でいろいろな所に行き、取材をしてきました。そして、作った新聞を通じて横浜市立北方(きたがた)小学校と交流する中で、この町の自然のすばらしさ、農業や林業に一生けん命取り組む人など、この町ならではの良さを自分たちで見つけることができました。

(北脇正梧)


駅から駅へ 幸せ運ぶ!!

  一畑電車 86年ぶり新造車両

一畑電車が86年ぶりに導入した新造車両「7000系」
 一畑(いちばた)電車株式(かぶしき)会社の本社がある雲州平田駅(出雲市平田町)で昨年8月、一畑電車について同社営業課長の野津昌巳(のつまさみ)さん(47)から話を聞いた。そして、電車には人の思いが込められていることを知り、これからも一畑電車を大事にしたいと思った。

 2016年に新造(しんぞう)車両としては86年ぶりとなる7000系(けい)が入った。まず2両が導入(どうにゅう)され、17年度にもさらに2両が導入される予定だ。この新造車両導入は松江、出雲の利用客たちにとても喜ばれた。

一畑電車のご縁電車しまねっこ号
 一畑電車は古い順に2100系、5000系、1000系がある。ちなみに、しまねっこが描かれている「ご縁電車しまねっこ号」はいちばん古い2100系だ。この2100系などは新造車両ではなく、ほかの会社の中古車両をゆずってもらったものだ。

 この一畑電車は過去に映画化(えいがか)もされている。地元・出雲市出身の錦織良成監督(にしこおりよしなりかんとく)による『RAILWAYS(レイルウェイズ)』で、49歳(さい)で電車の運転士になった男性が主人公の、郷土愛(きょうどあい)あふれる作品である。

 一畑電車では、使う人が気持ちよく乗れるように、常に安全、快適、正確や地域住民のことを第一に考え、日々努力していることが分かった。改めて一畑電車を好きになり、これからも使っていきたいと思った。

(西川颯、清水花恋、河原舞音)


木の年輪の数え方は

 児童が林業実習

林業体験で木の年輪の数え方について学ぶ児童たち
 出雲市立北陽小学校の5年生児童たちがこのほど林業体験を行い、県東部農林振興(しんこう)センター出雲事務所の大国隆二(おおぐにりゅうじ)さん(54)と木村仁(ひとし)さん(31)から木の年輪の数え方を教わった。

 大国さんによると、児童たちに森林の魅力(みりょく)や林業の必要性を体感してもらい、関心をもってもらうために、年輪を数える活動を行ったという。

 一年の気候の変化で、木も成長の速度がちがう。成長は春は早くて粗(あら)く、夏秋にかけて次第におそくなって密(みつ)になるため、横断面にできるのが年輪。これを数えれば樹齢(じゅれい)が分かるというわけだ。

 林業体験をした同市高岡町の同小5年角綾乃(あやの)さん(11)は「学習をして、森林について理解を深めることができた」と話していた。

(名原柚奈・大野由藍・村山心咲・佐藤美咲)

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 県東部農林振興センターには、森林の育成、木製品の加工、流通などを支援する「林業部」がある。また、野生鳥獣(ちょうじゅう)による農林作物被害(ひがい)の調査や、その対策(たいさく)なども行っている。


シカ害防止へ枝条巻き

 5年生が作業体験

川跡共有山林委員会メンバーの指導を受けながら枝条巻きを体験する北陽小児童たち
 出雲市立北陽小学校の5年生たちが昨年10月、同市西林木(にしはやしぎ)町の北山で林業体験を行った。川跡(かわと)共有山林委員会(濱崎清富(はまさききよとみ)会長)の指導で、枝条巻(しじょうま)きや植林などを体験した。体験を通して児童たちは、林業の大変さや工夫を学んだ。

 枝条巻きは、シカが木に角こすりをしないように、木に杉の枝を巻きつけて木を守るための作業だ。同委員会では一本一本、人の手で枝を巻きつけている。この日は同委員会副会長の阿川健司(あがわけんじ)さん(65)の指導を受けた。

 また、北山の森林はマツノザイセンチュウの被害(ひがい)によって松の木がかれてしまっているため、同委員会では植林も行っている。1989年から約2万本もの苗木(なえぎ)を一本一本、人の手でていねいに植えている。植林する時には、竹のぼうを立ててひもで苗木を固定し、たおれないようにするなど、さまざまな工夫をしている。

 児童らは間伐(かんばつ)作業の見学も行った。間伐とは、植林した木に日光がよく当たって強くなるように、弱い木やくさった木などを切ることだ。同委員会では一本一本間伐し、2万本から半分の1万本に減らす。間伐作業は、木のたおれる位置を決めるため、三角柱のくさびを打つなど、安全に注意して行っている。

 同委員会の濱崎会長(69)は「一本の苗木の10年後、100年後を考え、管理している」と話した。北陽小5年の福島光翔(ひろと)さん(11)は「事前に学習したけど、思ったより作業は大変で、森林を守りたいと思った」と話した。

(濱崎蒼空、山根輝哉、金山空良、富田大翔、福田真仁、知浦汐音、沖はるな、進藤幸芽、勝田紗帆、内藤亮輔)

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 マツノザイセンチュウ 松の木に寄生して増殖(ぞうしょく)し、木をからす害虫。


斐伊川治水に三つの対策

 ダム 放水路 護岸かさ上げ

斐伊川の治水を目的に建設された尾原ダムを見学する児童たち=雲南市木次町
 ふるさとにある豊かな自然、斐伊川(ひいかわ)について学ぶため昨年8月、出雲市稲岡(いなおか)町にある川跡(かわと)コミュニティセンター長の石飛啓二(いしとびけいじ)さん(70)に話を聞いた。

 石飛さんによると、1972年に大雨が原因で斐伊川が増水したため、下流の松江市で大きな被害(ひがい)が出た。それを防ぐ治水方法として三つの対策(たいさく)案が出た。

 一つ目は雲南市木次(きすき)町に尾原(おばら)ダムを造ることだ。尾原ダムは、1976年から計画が始まり、35年後の2011年に完成した。このダムの完成により斐伊川の水量が安定し、水害の危険(きけん)性が減った。

 二つ目は、斐伊川の流水量が増えると、出雲市の神戸川(かんどかわ)へ水を調節しながら流せるように、斐伊川と神戸川をつなぐ放水路を造った。この工事は2013年に完成した。

 三つ目は、松江市の宍道湖畔(しんじこはん)の護岸(ごがん)などを高くする案だ。この工事は一部で始まっている。

 最後に、石飛さんは「川は暮らしを豊かにするが、被害を出して暮らしをだめにもする」と話した。

(北脇正梧、栗原海聖、小田康誠、福島光翔)

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 斐伊川 中国山地にある船通山(せんつうざん)から出雲平野を通って宍道湖(しんじこ)へ流れている。土地より高いところを流れている天井川(てんじょうがわ)のため、はんらんしやすい。


児童が受けつぐ70年の伝統

 川跡神社の「浦安の舞」

川跡神社で「浦安の舞」を舞う出雲市立北陽小の女子児童たち
 出雲市荻杼(おぎとち)町にある川跡(かわと)神社では毎週日曜日の朝、同市立北陽小学校の5、6年生の女子児童5人が、巫女(みこ)として「浦安(うらやす)の舞(まい)」を舞っている。私たちは、これからもこのすばらしい伝統を守り続けてほしいと思った。

 同社では春と秋にお祭りがあり、そこでも小学生が「浦安の舞」を舞う。舞は前半でおうぎを使い、後半に鈴(すず)を使う。「浦安の舞」の歌詞(かし)は「天地(あめつち)の神にぞ祈(いの)る朝なぎの海のごとくに波たたぬ世を」である。

 川跡神社は大正4年に建てられ、「浦安の舞」は昭和15年に全国の神社で舞われるようになり、やがて海外でも舞われるようになった。

 同社禰宜(ねぎ)の山崎寧子(やすこ)さん(60)は「70年以上続く歴史をこれからも守り続けたい」と話していた。

(松井結月、岡亮汰、村井友)

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 禰宜 神職の一つで、神社の代表者である宮司(ぐうじ)の補佐役。


三味線の道一筋40年

 角さん努力の成果披露

三味線一筋40年の角隆さん
 出雲市稲岡(いなおか)町の同市立北陽小学校で昨年8月開かれた「川跡(かわと)ふるさとまつり」のステージで、同市高岡町、無職角隆(すみたかし)さん(70)が三味線(しゃみせん)や歌を披露(ひろう)した。取材をして、三味線歴40年の角さんの熱い思いや努力が伝わってきた。

 角さんは30歳(さい)から三味線を始めた。小さいころから民謡(みんよう)が好きで、友達からさそわれたのがきっかけだった。今は月に1度、老人ホームを訪れ、三味線を披露している。

 角さんの三味線の階級は上から3番目の「大師範(だいしはん)」だ。先生として民謡『安来節(やすぎぶし)』も教えている。三味線をする時、角さんは安来節家元の「渡部(わたなべ)お糸」さんの名字(みょうじ)をもらって「渡部隆」という名前を使っている。角さんは「いい先生にめぐまれたからここまでこれた」と話した。

(長浜里咲、角綾乃、渡邊竣太、宮本隆駕、玉木滉介)

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 安来節 安来市の無形民俗(みんぞく)文化財。『どじょうすくい』というおどりをするときにも演奏(えんそう)する。

 渡部お糸 明治から大正にかけて、全国に民謡『安来節』を広め、初代家元になった。現在は4代目。


こんにゃくと笑顔おすそ分け

 山崎さんの善意に大喜び

畑で収穫したこんにゃく芋から作ったこんにゃくを近所におすそ分けし、喜ばれている山崎さん
 昨年11月に出雲市稲岡(いなおか)町の川跡(かわと)コミュニティセンターで行われた「第3回川跡環境(かんきょう)エコ祭り」について、出雲市環境保全連合会川跡支部会長の土江昭治(つちえしょうじ)さん(75)に話を聞いた。取材を通して、地域の環境を守るための工夫や、地域をきれいにしたいという思いを感じた。

 土江さんによると、この祭りは、地域の環境をよくするために行っている。毎年、同市立北陽小学校4年生児童の環境についての発表や、同第三中学校科学部の発表がある。ほかにも、日ごろから美化パトロールをして、ごみ拾いや道にごみをすてないように声をかけたりして、地域をきれいにしている。

 最後に土江さんは「児童、生徒さん方には感謝している。これからも活動を共にして、ごみのない地域をつくりたい」と話した。

(北脇正梧、福島光翔、栗原海聖、小田康誠)


目指そう!“ごみゼロ”

 川跡で環境エコ祭り

「川跡環境エコ祭り」で発表する出雲市立第三中の生徒
 出雲市西林木町(にしはやしぎちょう)、山崎重成(やまさきしげなり)さん(87)は毎年、自宅の畑で収穫(しゅうかく)したこんにゃく芋(いも)でこんにゃくを作って近所の人におすそ分けし、喜ばれている。山崎さんが近所の人に「おいしい」と言ってもらえるように、毎年頑張(がんば)ってこんにゃくを作っていることが分かり、山崎さんのやさしさを感じた。

 山崎さんは、毎年4月にこんにゃく芋の苗(なえ)を植え、9月に収穫している。そして、このこんにゃく芋を使ってこんにゃくを作っている。

 こんにゃくは昨年11月から12月にかけて、近所に1けんあたり三つずつおすそわけした。近所の人たちからは「いつもの味でおいしいです」「いつもありがとうございます」と喜ばれた。

 山崎さんは「こんにゃくを喜んで受け取ってもらってうれしい。おいしく味わってほしい」と話していた。

(山崎夏希、渡邊竣太、景山翔平、三成秀秋)

編集後記

 新聞づくりを通して、ぼくたちは地域の人たちの温かさ、このまちの自然のすばらしさ、いっしょに記事を書く仲間の大切さを学びました。

 この学習ができたのは、支えてくれる先生方、取材を手伝ってくれた地域の方々、新聞づくりを指導してくれた山陰中央新報社のNIE担当の方など、多くの方々のおかげです。これからも交流している横浜市立北方(きたがた)小学校の5年生や北陽のまちの方たちにも、北陽の良さを発信していきたいです。

(福島光翔)

2018年1月26日 無断転載禁止

こども新聞