仕事みてある記 命の誕生に立ち会い 母子の生活サポート

生後間もない赤ちゃんを抱き、初めてのお産を終えたお母さんの相談にのる金高ひかりさん=松江市西津田2丁目、マザリー産科婦人科医院
 助産師

 金高(かねたか) ひかりさん

     (松江市西津田2丁目)

 「家族の一員が増(ふ)える貴重(きちょう)な瞬間(しゅんかん)に立ち会えるありがたいお仕事です」。松江(まつえ)市西津田(にしつだ)2丁目のマザリー産科婦人(ふじん)科医院で助産師(じょさんし)として働く金高(かねたか)ひかりさん(27)は妊娠(にんしん)、出産、そして産後のお母さんと赤ちゃんの生活に寄(よ)り添(そ)い、安心して生活を送ることができるようサポートしています。

 生後5日の女の子とそのお母さんが過(す)ごす院内の個室(こしつ)を訪(たず)ねます。「夜は眠(ねむ)れましたか?」「おっぱいをしっかり飲んで、うんちも出ているので安心してくださいね」。初めてのお産を終えたお母さんに優(やさ)しく話しかけます。「あっ、おめめが開いたね」。赤ちゃんへの声掛(が)けも忘(わす)れません。

 授乳(じゅにゅう)した時間や赤ちゃんの体重、おしっこやうんちの有無(うむ)が記されている票(ひょう)を確認(かくにん)します。3時間以内にお乳(ちち)を飲んでいるか、飲んでいるお乳の量はどのくらいか、そしてお母さんに心配事がないかを聞いて不安を取り除(のぞ)きます。「赤ちゃんとゆっくり過ごしてくださいね」。笑顔(えがお)で個室を後にします。

 「夜泣きがあるのは正常(せいじょう)ですか?」「うまくお乳を飲んでいるのかが分かりません」。特に初産婦(しょさんぷ)にとっては初めての経験(けいけん)ばかりなので、ささいなことでも気軽に聞いてもらえる雰囲気(ふんいき)づくりを心掛けます。

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 浜田(はまだ)市出身。小学1年のときに双子(ふたご)の妹が生まれ、新しい命の誕生(たんじょう)が強く思い出に残ったことが仕事を選ぶきっかけになりました。鳥取大学医学部保健(ほけん)学科に進学し、助産師に必要な看護師免許(かんごしめんきょ)と助産師免許を取得(しゅとく)しました。助産師の仕事は妊娠、出産だけでなく、女性の一生に関(かか)わります。思春期(ししゅんき)や更年期(こうねんき)の体と心のケアも欠かせません。

 妊婦検診(けんしん)では、妊婦の全身状態(じょうたい)をチェックしたり、エコーで赤ちゃんの状態を確(たし)かめたり、母子共(とも)に経過(けいか)が順調かを見極(みきわ)めます。高齢(こうれい)や持病がある妊婦は特に注意が必要です。出産後のお母さんが社会や地域(ちいき)から孤立(こりつ)しないように、サポートが必要な人を保健師につなげたり、お母さん同士の交流の場を紹介(しょうかい)したりすることも大事な仕事の一つです。

 「お産はお母さんにとっても赤ちゃんにとっても命がけ。緊張(きんちょう)感と責任(せきにん)感は常(つね)にあります。出産を振(ふ)り返って、いいお産だったと思ってもらい、笑顔(えがお)で退院(たいいん)していく姿(すがた)を見ることが一番うれしく、やりがいにもつながっています」 

 ★メッセージ

 普段(ふだん)からいろんなところにアンテナを張(は)り、興味(きょうみ)を持つことが大事です。生まれたばかりでも赤ちゃんはいろんな表情(ひょうじょう)を見せてくれます。お乳を一生懸命(けんめい)飲んでいる姿は強い生命力を感じさせてくれ、命のすばらしさを学ぶことができます。

2018年2月7日 無断転載禁止

こども新聞