世事抄録 マスク物語

 正月に道で会った知人が大きな白いマスクをしていた。新年のあいさつもそこそこに「風邪かね」と聞くとそうではない、こんな寒い時分は脳みそに寒気が入ると頭の働きが鈍くなる。用心のためだから「あんたもせんといけんよ」と冗談とも付かぬ忠言を受けた。

 私はどうもマスクが嫌で、医者にでも言われなければしようとも思わない。子供の頃は四角で白いガーゼ物とか、黒のひし形で空気穴が付き、中にガーゼを入れて口と鼻にかぶせる吸入管みたいなマスクがあったが、現代のものは目の下半分も顔が隠れて口元の表情など知りようもない。

 英国のスーパーに入ったマスク姿の日本人の若者集団が強盗団に間違えられた事件があったという。ことほどさように、白マスク姿で歩く日本人は外国人には奇妙に映るらしい。本紙「談論風発」で佐伯英隆氏は「日本の奇習『白マスク』」と題して、日本人のファッションの一つにもなっているマスク顔は、国際的には(1)自分は病気だから近寄るな(2)周辺環境が汚れた状態だから遮断したい(3)悪事をするので顔を見られたくない-のどれか一つのサインに見られるとする。

 先月の都道府県対抗女子駅伝大会開会式をテレビで見ていて、ズラッと並ぶマスク顔の女子チームがあって私は思わずゾッとした。私も外国人の見方に同感なので。  (松江市・変木爺)

2018年2月8日 無断転載禁止