レッツ連歌(下房桃菴)・2月8日付

(挿絵・麦倉うさぎ)
 あきれ返って物も言えない

風邪ひいて会社休んで釣りに行き

            (埼玉・所沢)栗田  枝

親切も注意もアダになる時代  (出雲)平井 悦子

恩師呼び乾杯させて蚊帳の外  (雲南)錦織 博子

大吉と出てくるまでは引き続け (江津)森下 俊武

堂々と優先席でする化粧    (出雲)行長 好友

あのときのアイツがあんな出世して

               (飯南)塩田美代子

免許証返納したをつい忘れ   (浜田)佐々木わこ

寒空に真夏のような花火上げ  (浜田)滝本 洋子

見せるたび老化のせいと言うヤブ医

           (東京・八王子)藤江  正

デパ地下の試食めぐりで顔が売れ(浜田)勝田  艶

直径が七メートルの雪だるま  (松江)相見 哲雄

火星行きロケット月に不時着し (美郷)吉田 重美

ニッポンの国の借金また増やし (松江)植田 延裕

ポンポンとおもちゃ買うよに武器を買い

               (益田)吉川 洋子

バイキング山盛り取ってみな残し(益田)竹内 良子

ないはずの文書出てくる文科省 (益田)石川アキオ

留年と落第停学くりかえし   (浜田)放ヒサユキ

おまさんにゃ歯が立たないと毒を盛り

               (浜田)勇 之 祐

東大にするかそれともハーバード(松江)田中 堂太

なるつもりなんてなかった大統領(松江)森廣 典子

結婚は認めないけど孫は別 (出雲)はなやのおきな

五年間積み立て利子が二十円(隠岐の島)浅垣 多世

ばあちゃんにワタスのカレスと自慢され

              (奥出雲)松田多美子

分かるまで教えますとは言ったけど

               (浜田)滝本 洋子

新米のママはスマホとにらめっこ(益田)竹内 良子

バアちゃんが林与一と呼ぶジイちゃん

               (美郷)芦矢 敦子

こんな句でレッツ続けている私 (松江)佐々木滋子

父さんが代行を呼ぶワイナリー (益田)石川アキオ

元旦の夫婦喧嘩(げんか)が一回目 (兵庫・明石)折田 小枝

義母(かあ)さんはすべて私のせいと泣き(江津)花田 美昭

福袋バイト雇って買い占めて  (浜田)松井 鏡子

言い訳も進化していくダイエット(出雲)野村たまえ

核兵器禁止条約署名せず    (松江)西坂 瑞人

振袖を貸します着付けいたします(松江)森廣 典子

先生がいびきかいてる試験場  (浜田)山崎 重子

中学生名人戦を勝ち進み    (松江)杉本 末吉

           ◇

 博子さんの「蚊帳の外」は、同窓会ではよくある光景。いい目の付けどころでした。

 正さんの「ヤブ医」は、落語に出てくる「手遅れ医者」? 「なぜ年寄る前に見せに来ん」―。

 「林与一」は、お若いかたはご存じないかもしれませんが、たとえ知らなくても、およそどういう人なのか、文脈で分からなくてはなりません。見当がついたところで、人に聞くなり、自分で調べるなりしてください。私は解説いたしません。知りませんから―。

 瑞人さんの句は、現政権に対する痛烈な批判! ただ一方では、現実を見よ、みたいな反論も、当然あろうかと存じます。むずかしい問題です。

 一言だけ申し添えます。実は川柳作家をも自任する桃菴センセ一番の自信作は、

  オレたちはよいがオマエら核持つな

           ◇

 次の前句は、

  あのころはよかったと言う大富豪

 なんだか贅沢(ぜいたく)な話ですが、そういうこともあるかもしれません。

 この句に短句(七七)を付けてください。

(島根大学名誉教授)

2018年2月8日 無断転載禁止

こども新聞