「震災バイオリン」命に感謝 音色で伝える 17日・益田で演奏会

演奏会に向けて練習を重ねる中山ゆき子さん
 東日本大震災の津波による流木で製作された「震災バイオリン」を全国の千人がリレー方式で演奏するコンサート「千の音色でつなぐ絆」が17日、島根県益田市有明町の県芸術文化センター・グラントワである。演奏する浜田市高佐町のバイオリン奏者中山ゆき子さん(41)は「今ある命に感謝することを、音に乗せて伝えたい」と意気込む。

 震災バイオリンは、世界的に有名な弦楽器製作者の中沢宗幸さん(77)=東京都在住=が津波で流された岩手県陸前高田市のマツなどの木材で製作し、2011年12月に完成した。コンサートは震災の風化防止などを目的に12年3月に同市でスタート。国内外の音楽家が各地でリレー演奏し、中山さんが541人目となる。

 中沢さんが震災バイオリンを製作する様子が中学生向けの英語の教科書で紹介されており、授業で学んだ小野中学校(益田市戸田町)の生徒が手紙を送り、感想を読んだ中沢さんが、同校の生徒や地域の人に音色を聞いてもらいたいと望み、益田市での開催が決まった。

 奏者に選ばれた中山さんは、震災から3年後に岩手県盛岡市で演奏した経験があり、仮設住宅での生活ぶりを見て、被災地の人の温かさや郷土愛に心動かされたという。「震災を乗り越え、新しく楽器を作ろうというパワーがすごいと思った。貴重なバイオリンを演奏できてうれしい」と自宅での練習に熱を入れる。

 コンサートは午後2時からで、中山さんが、東日本大震災の復興支援ソング「花は咲く」や「ふるさと」、バッハの「無伴奏バイオリンソナタ」など5曲を披露する予定。中沢さんの講演もある。入場無料。

2018年2月14日 無断転載禁止