(107)森原古道(美郷町)

石見銀山街道の整備状況が分かる「森原古道」。現在は保存のため埋め戻されている(美郷町教育委員会提供)
 江戸時代、石見銀山(大田市大森町)で産出した銀を瀬戸内海側に運んだ全長130キロの石見銀山街道。このうち、美郷町内にある「森原古道」は距離こそ200メートルと短いものの、街道の整備状況を今に伝える貴重な史跡とされ、同じく町内の「やなしお道」(6キロ)とともにこのほど、国史跡に指定された。2009年度の発掘調査から8年余りがたち、観光面など地域資源として再びクローズアップされている。

 森原古道があるのは、酒谷地区の県道美郷飯南線のそば。河岸段丘の地形に沿うように蛇行して、道が整備されている。

 史跡の構造が明らかになったのは、09年11~12月。県のほ場整備に伴う町教育委員会の発掘調査で、小石や粘土で踏み固められた2層の路面と石垣が見つかり、古い道の上に新しい道を整備した状況が確認された。

 町教委で文化財を担当する岩谷知広係長(45)は「一般の道は幅約1メートルの三尺道だが、森原古道はその倍の道幅があり、官道だった石見銀山街道の基準と一致する。江戸時代には牛馬300頭と作業員400人が隊列を作って銀を運んだはず」と指摘する。

 森原古道は発掘調査後に埋め戻され、町教委が近くに史跡公園を整備した。駐車場や休憩所があるほか、説明看板を設置し、発掘時の様子や史跡の断面などを写真で紹介している。

 17年11月に国の文化審議会が国史跡に指定するよう文部科学相に答申。今月13日の官報告示で正式に指定された。町教委は今後、具体的な活用策を検討する考えで、岩谷係長は「ウオーキングイベントを開催するなど、史跡を生かして交流人口の拡大を図りたい」としている。

2018年2月15日 無断転載禁止